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テニス上達メモ041. 潜在意識の働きを活性化する最大のポイントは、「分からない」というのが、最大のポイント!?
お問合せをいただきましたので、今回はそれをシェアするとともに、上達のヒントを共有できればと思います(※当該メモはその後、大幅に加筆修正しています)。
【お問合せ内容】
おはようございます。以前質問させていただいたことがある※※です。
いつもコラムを感動して読ませていただいてます。
本当に素晴らしい名作の数々だと思います。
さて今回、潜在意識に働きかけるコラムに質問があります。
―――最良の方法は、
「今日の試合、次のポイント、このサービス、どうなるのかやってみてくれ」と、
潜在意識にあずけてしまうのです。
潜在意識は、私たちの経験したテニスに関する
すべての記憶を保持しているから、
適切なやり方を選択して、体を動かしてくれます。
しかも、自動的に。
しかも、思考のフィルターを通さないから、瞬時に!―――――――――――
というくだりに、まったくもって感動しているのですが、
この場合、技術的な思考も全く排除してしまうべきなのでしょうか?
たとえば、グリップは握り替えただろうか?体は横向きになっているだろうか?は
無論のこと、吉田さんの言う脱力してガットの真ん中に当てるようにしよう、という
意識なども全く入れずに、潜在意識なるものに預け、無意識の境地でスイングしてい
けばいいのでしょうか?
そうしないと潜在意識に働きかけたことにはならないのでしょうか?
ややこしい質問になったかと思いますが、ご回答いただければありがたいです。
よろしくお願いします。
▶頑張ろうと意識すればするほど、「空回り」する
結論から言うと、技術的な思考こそ、排除するのです。
グリップを握り替える、体を横向きにする、体の軸をまっすぐにする、ヒザをしっかり曲げるなどなど、一般的に語られる技術的アドバイスは、実際に打とうとするときにはマイナスに働きます。
「脱力してガットの真ん中に当てるようにしよう」などの情報は、事前に知識として知っておくとしても、実際に打つときには、「意識」しません。
なぜなら、顕在意識が優位になるほど、潜在意識の働きは劣位になるからです。
潜在意識の働きを活性化するには、顕在意識をできるだけ沈静化する。
ということを意識してまた考えすぎると、顕在意識が優位になるので、過剰な頑張りは禁物。
頑張ろうと意識すればするほど、「空回り」するのはこのためです。
▶ビル・ゲイツが選んだ「人生で最高の5冊のうちの1冊」
この筋で話を進めると、潜在意識を活性化するポイントを見出せます。
詳しく説明していきましょう。
顕在意識でできることは、たかが知れています。
というか、阻害します。
潜在意識の働きを。
そこで潜在意識に任せると、「なぜか?」上手くいきます。
「なぜでしょうか?」
それは分かりません。
ですから「潜在」なのです。
ITの巨星であるビル・ゲイツが、人生で読んだ最高の5冊のうちの1冊に挙げた『インナー ゲーム』で取り上げられる「セルフ1」と「セルフ2」の関係。
「セルフ1」が顕在意識で、「セルフ2」が潜在意識ですが、「セルフ1」による「ああしろ」「こうしたほうがいいはずだ」などという自分に対する指示・指令が、「自然上達を阻害する」と説明されます。
そこで「セルフ2」に預けてしまおうというのが、『インナーゲーム』シリーズ全体の骨子ではないでしょうか。
▶分からない「けど」上手くいく? 分からない「から」上手くいく!
顕在意識の「セルフ1」は黙らせて(※注1)、潜在意識の「セルフ2」に預けると、なぜか上手くいく。
だけどなぜ上手くいくのかは、分からない。
分からないから、「不安」になる。
不安になるから分かろうとする顕在意識がせっせと働くために、その結果どうなったかというのが、今のテニスの実力。
すなわち、テニスがすごく不安で、怖いことになっているのですね。
▶「バウンス・ヒット法」の奇跡
※注1としたところの具体的な手法が「バウンス・ヒット」。
「いやいや、そのメカニズムさえ分かれば、潜在意識に預けられるんだけど!」などと、顕在意識は考えるのだけれど、分からないから「潜在」なのです。
確かに、分からないものを分からないままにしておくというのは、顕在意識にとって不安。
すると分かろうとする顕在意識がせっせと働き出して、「グリップは握り替えただろうか?」「体は横向きになっているだろうか?」などと頑張り始める結果、最初に述べたように顕在意識で頑張れば頑張るほど「空回り」する。
「なぜ、潜在意識に預けると上手くいくの?」
そういう、上手くいく「保証」を知りたい欲求が、顕在意識にはあるのかもしれません。
この筋で話を進めると、その保証を顕在意識が知りたくなるから、潜在意識に預けられなくなって上手くいかなくなる、とご説明できそうです。
うーん、ややこしいですね(笑)。
▶知らないまま、放っておくのが「極意」
ですから差し当たって顕在意識の「セルフ1」としては、「次のポイント、どうなるのかやってみてくれ!」といった客体的な態度で、分からないまま潜在意識の「セルフ2」に預けてしまうというのが、当該『テニス上達メモ』によるご提案でした。
でも本当は、分からないからといって、不安にならなくても大丈夫なのです。
呼吸も体温調整も免疫も、みんな意識しなくても、潜在意識が完璧にコントロールしてくれているではないですか。
なのに「なぜ吸えているんだろう?」などと、分かろうとすると、分からないから不安になって、「次から吸えなくなったらどうしよう……」などという、潜在意識に対する阻害になりかねません。
分からないまま、知ろうとしない。
知らないまま、放っておく。
そのためには「ちょっとした勇気」がいるかもしれないけれど、勇気を出して預けてみるのです。
確かに「グリップを……」「体は横向きに……」という、分かりやすいアドバイスがあったほうが、その根拠をよりどころに、一時的に安心できるかもしれない。
しかしまさにそのせいで、今の不安になるテニスに陥っています。
▶不安だから「がむしゃらに働く」と「貧乏暇なし」になるから「頑張らない勇気」
何と言えばいいでしょうか?
頑張っているほうが「安心できてしまう」のです。
そこを、勇気を出して「頑張らない」。
覚えやすいようにアドラー心理学のベストセラー『嫌われる勇気』(岸見一郎、古賀史健著、ダイヤモンド社刊)にならって、ここでは「頑張らない勇気」と名付けてみます。
より馴染みのある具体的な慣用句でたとえるならば、「貧乏暇なし」と、言い換えられるものです。
暇がないほど頑張って働くから、貧乏のまま。
だけど頑張って働いてるうちは「安心できる」から、休めない。
その結果、お金にとても不安な現状を招いてしまうのが「貧乏暇なし」です。
「頑張らない勇気」を、少し勇気を振り絞って、出してみる。
それでなぜ、上手くいくかは分からないけれど、分からないものは分からないままにしておくというのが、潜在意識を活性化するポイントです。
ですから私は「頑張るな」「頑張ってはいけない」と、いつも言っていますし、自分にも言い聞かせています。
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