質問069:テニスは相手の弱いところを攻める競技では?
回答
▶あの人は「ああいう人だ」「こういう人だ」と決めつける
対戦相手の「弱いところ」というのは、決めつけであり、先入観です。
その情報は、すでに過去。
私たちは、あの人は「ああいう人だ」「こういう人だ」などという先入観を持って、曇ったレンズのメガネ越しに、相手を見てしまいがちです。
それがバイアスになるから、ありのままに見られなくなって人間関係に影を落とす話は後述します。
決めつけによって、自己肯定感さえ損なう話も後述します。
▶過去の情報に基づき「先入観」にとらわれる
草トーなどで初めて対戦する相手なら、試合が始まってから、弱いところを探るリサーチになるでしょう。
相手がフォアを2本連続でミスした。
もしかすると相手は、フォアに苦手意識があるのかもしれないけれど、「弱いところ」とは、決めつけられません。
確かにその時点では、2本連続でミスをした。
それはすでに過去の情報です。
とらわれると、ご自身が先入観に基づいたプレーをしてしまうことになります。
▶相手の弱点を「意識」してしまう
もちろんその後も、相手への「フォア攻め」でポイントを取れるかもしれないけれど、そうするとますます、相手のフォア側へ打ち返しにくい状況にもかかわらず、無理やりフォアを狙ってしまいたくなり、かえって自滅しかねません。
そう、相手の弱点を探るというのは、相手の弱点について意識しながらプレーするわけだから、ボールに対する集中力が落ちる「自滅」が怖いのです。
勝負というのは一見するだけだと、どんなにワンサイドゲームに見える場合であっても、その試合内容は「自滅」。
逆に言えば自分が自滅するようなプレーをやらかさなければ、相手がそのうち自滅します。
そして先入観にとらわれたプレーヤーと、そうでないプレーヤーの、どちらが自滅の一途をたどるかは、火を見るより明らかでしょう。
▶当たり損ないが「ポテンヒット」になる
また、相手はフォアが苦手だからといって、そちらへ配球しても、必ずしもミスを誘えるとも限りません。
相手にしてみれば苦手なフォアが奏功して、当たり損ないがポテンヒット(テキサスヒット)的に際どいコースへ飛ぶウイナーになることも、なきにしもあらず。
ウイナーにならなくても、「変な回転」がかかって、こちらが打ちにくくなるなどもよくありますよね。
ですから、一部参考にするのはいいとしても、全面的に信頼するのは危険です。
▶テニスゼロも「自滅」
テニスに限った話ではありません。
たとえば「起業」だって、自分が辞めなければ、競合に勝てます。
自分が辞めなければ、競合は「自滅」していくからです。
私の例で恐縮ですけれども、「テニスブログ」なんて、星の数ほどあります。
だけどテニスゼロが生き残っているのは、決して強いからではありません。
単に続けていて、ほかのウェブサイトやブログがそのうち閉鎖するから、そう見えるだけです。
とはいえテニスゼロも、一時は自滅しかけました。
事の顛末は単に、ブログサービスのアップデートに手こずったからなのですけれども、それは何も、ほかの「テニスブログ」が強かったからとかは一切関係なくて、私の個人的な「自滅」だったわけですね。
確かに読者数は、減りました。
特にウェブサイトの移管先なども、アナウンスせず閉じましたから。
でも、生き続けていれば、自滅ではありません。
今はこのnoteの力を借りて、私自身のための情報発信がかなっています。
ですから、長年にわたるサバイバルが成功しているように「見える」のですけれども、その本質は、ほかが「自滅」しているだけなのです。
▶どんどん変化するのが人生
話が脱線しました。
とにかくテニスもビジネスもプライベートも、どんどん変化します。
諸行無常。
状況や条件は刻々と変わっていくので、「相手はフォアが苦手」と決めつけた過去の情報に基づいた先入観を頼りにプレーすると、自滅の一途をたどります。
相手はもしかすると、本当はフォアがすごく得意なのに、序盤はわざと苦手なフリをして、こちらに先入観を植え付け、終盤でひっくり返そうとしているのかもしれませんよ。
▶「袋返しの術」
「袋返しの術」をご存知でしょうか?
これは、前もって味方の忍者を敵陣へ送り込んで忠誠を誓わせ、仲間だと思わせておき(先入観のインストール)、機密情報を自陣に送らせる。
そしていざ大事というときには寝返って、仲間と思わせておいた敵陣を、一気に落城へと陥れるのです。
先入観に、だまされてはなりません。
たとえ今回は弱点(らしきもの)を探り当て、その勝負には勝てたとしても、先入観や決めつけで物事を判断するプレースタイルが、一層強化されてしまいかねないのです。
それが、過去の成功にとらわれる「執着」になる。
▶里帰りしない人は「親不孝」なのか?
「策士策に溺れる」ということわざがあります。
策略について、アレコレと考えてしまった「溺死」です。
過去にはその策略で上手くいったから、「策士」なのでしょうけれども、盛者必衰の理をあらわす。
事前に作戦は立てておくとしても、どこをどう攻めるかは、その時々しだいで臨機応変に立ち回りましょう。
私たちはつい、あの人は「ああいう人だ」「こういう人だ」などという先入観を持って、曇ったレンズのメガネ越しに、相手を見てしまいがちです。
しかしその人にだって、「体調の変化」や「感情の起伏」、「機嫌の良し悪し」もある。
いつも変わらぬ「ああいう人」「こういう人」など、この世のどこにもいないのです。
その思い込みが、「自滅」を招く。
「あの人は里帰りもしないなんて、親不孝だ」
そういう決め付けが相手の「ありのまま」を否定するから、他者へのリスペクトをベースとして築かれる「自己肯定感」さえ損なうのです。
▶「リアルタイムな感覚」を頼りに対応する
先入観を排除して(だまされないためには)、最新のフレッシュな情報をもとに、「今・ここ・この瞬間」のリアルタイムな感覚を頼りに、対応していくのが間違いありません。
人が滅ぼされるのは決まって、相手によってではなく、自分の持つバイアス(偏見、先入観。認識の歪みや偏りをもとにした意思決定)によって、です。
災害発生時には「正常性バイアス」が働きがちなのはよく知られています。
「まだ大丈夫だ」などと思い込もうとする傾向性により、一刻も早く避難すべき事態を、看過してしまう。
だから「自分の敵は自分」だったりするのです。
▶生きるのがしんどいのは「先入観」や「思い込み」のせい
生きるのが苦しい、しんどいとすれば、自分のなかにある「先入観」や「思い込み」のせいかもしれません。
「自分には生きる価値がない」
「嫌なこともやらないと、食っていけない」
「自分さえ我慢すれば、ことを荒立てずに済む」
「人に頼ってばかりいてはダメだ」
「ちゃんとしないと、みんなから認めてもらえない」
……どうか、人生ゲームに「自滅」されませんように。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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