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#1.主観と客観

先日、「もっと客観的な説明をしなさい」と母が子に言う場面に遭遇し、ふと考えた。

そもそも、客観的とは以下の意味である。

主観または主体を離れて独立に存在するさま。

goo辞書

とすると、「客観的に説明する」とは、「主観から独立した説明」の仕方と言えそうである。

例えば、そこにいるネコを説明する時、

「そこにいるとっても可愛いネコ」
ではなく、
「そこにいるオレンジ色の毛をしたネコ」
と言った方が客観的な説明としてよりふさわしい気もする。

しかし、「オレンジ色」と表現することは客観的と言えるのか。

日本では、オレンジ色を指す言葉としては「橙(だいだい)」や「蜜柑(みかん)」等があり、英語には、”Orange”以外にも、"Apricot”などもある。

さまざまな「オレンジ」色


言語学的な話になるが、そこに存在する「橙色のもの」が、「橙色」であると名付けられることは必然ではなく、必ずそれを名付けた主体の恣意性(主観)が加わるはずだ。別に、橙色は、必ずしも今橙色として指定されている色ではなく、もう少し黄色がかったオレンジ色のことを指していてもおかしくないわけである。ただそれを「橙色」と決めたから「橙色」なのだ。

橙色

そう考えると、「そこにいるオレンジ色の毛をしたネコ」というのは、いかほどの客観性をもった説明と言えるのか。私はよくわからなくなってしまった。色の判別が難しい人には同じようにオレンジに見えないかもしれないし、目の見えない人にはそもそも色自体の説明が伝わらないかもしれない。

主観と客観について考えたときに、そんなことを考えました。



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