ビジネスフレームワークに騙されるな!
書名:ビジネス・フレームワークの落とし穴
著者:山田英夫
出版社:光文社新書
発行日:2019年5月21日
読了日:2019年6月1日
ページ数:216ページ
約40近い有名なフレームワークが紹介されています。
この書籍の特徴はフレームワークの紹介だけでなく
✅このフレームワークを使う際の注意点
✅ただフレームワークの空欄を埋めるだけでは意味がない
にフォーカスしている点である。
色々なフレームワークの落とし穴が
書かれているけれども、共通して感じた事が
そのフレームワークを使って埋めるのは人であり
そこに主観・思いが入るという事。
ビジネスを新たに展開する際に
同じフレームワークを使ったとしても
同業をどう位置づけるか、競争相手を
どう定義するか?によって変わってくる。
つまり、フレームワークを
正しく使いこなさないと全く意味がないものとなる。
そこをきちっと教えてくれる
本書は非常に勉強になる。
落とし穴が中心なので、それを活用する方にも
もっとページを割いてもらえると
さらに良書になるのかなって思いました。
✅SWOT分析
主語のないものは意味がない
やりたい戦略があってそれを後押しするためのもの
ある企業のSWOT分析をするとしても
具体的にどんな業界・市場にどういう商材で参入するのかが
明確になっていないと、使えるものにならない。
まぁ言われてみれば当然だけれども
そこを押さえておかないで、いきなり書き出すと
結局、”何に対してSWOT分析してたんだっけ?”ってなる。
✅3C分析
だれが競合か?競合や同業の定義が大切。
例えば、携帯電話市場でスマホが登場。
そのせいで、時計、ICレコーダ、万歩計、カメラ、カーナビなど
色々な業界の商品がスマホ1つで代替されてしまった。
それぞれの商品が持つ業界のみで競合分析をしていると
リスクが高まってしまう。
広い視野で見る事が大切。
まさかスマホがここまで色々な商品やサービスを代替するものと
先を読んでいた人はアップルやGoogleだけだったかもしれない。
当時の日本メーカはガラパゴスと言われて安心しきっていたし
携帯電話におもちゃのようなカメラがついたところで
デジカメには叶わないと思っていた。
でも、高画素化・高画質になり、手軽さも相まって
今はデジカメなんかほとんど売れない。
✅5フォース分析
箱を埋めるだけではダメ。
自社がどれだけ交渉力、競争力があるかを分析して
利益が得られるかを考えて参入するのかどうかを決める。
そもそも同業の定義も拡大して考えないと危険。
最近はカーナビもスマホでGoogle mapで十分だよね?
っていう時代になってきた。
✅コアコンピタンス
顧客から認知される価値である必要がある。
この考え方は忘れてはならないかもしれない。
自社にこんな技術があり、強みである。
差別化できる技術と思っているのは自分だけ?
ってならないようにしなければならない。
その差別化技術が、顧客から見て欲しい技術でなければ
なんら意味がないと思う。
顧客から言われて初めてわかるものもあるかもしれない。
人間も自分の良さって人から言われて気づいたりしますよね?
それと一緒なのかなって思いました。
私が気になった点や私自身もフレームワークで使う上で
気をつけなければならないなって思ったものを上げてみました。
ついつい作業やフレームワークを使う事が目的になってしまうけれど
それはあくまで手段であって、正しく使えてこそ
きちっとしたアウトプットが生まれるという事を
改めて理解したとともに気をつけていこうと思いました。
あと、経営コンサルタントの様に分析するだけでなく
それを実際実行するプロセスも大事で
現場でそれを推進する人や組織も大切
である事を忘れてはならない。