【1話完結小説】坊やと電柱(ショートバージョン)
飛び出し坊やは「僕が子供達を守るぞ」と輝く瞳でこの街にやって来た。
20年後。
飛び出し坊や(もう青年)は傍らの電柱に呟く。
「なあ俺がここにいた意味、あるのかな?」
電柱は「何もなかった事が答えです」と静かに言った。
飛び出し坊やは明日、役目を終える。
*******
飛び出し坊やは去った。
来週には新しい坊やが配置されるだろう。
電柱は喪失感に包まれていた。
ドォォン
急にダンプが突っ込んできた。
電柱は薄れゆく意識で思う。
彼は子供達だけでなく私をも守っていたのだと。
彼の元に行ける事が嬉しくて電柱は最期に笑った。
end
※解説※
元々このお話はTwitter上で140字小説×2(坊やサイドと電柱サイド)という長さで誕生しましたが、もう少し肉付けした文章も書きたくてnoteではロングバージョンも作ってみました。
【短】140字だと、俳句のようなもので読み手さんが感情や情景を脳内補足しながら読める自由さがあるなと思います。
【長】ロングバージョンだと、私なりの世界観をもう少しだけ具体的に伝えることができるのかなと思います。
みなさんはどっちがお好みだったでしょうか^ ^
読みくらべてみて☆
【長】ロングバージョンはこちら
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