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「東京所在の大学」への進学率推移(1992→2023年)

早稲田大学と慶應義塾大学の合格者数の推移を辿ったところ、東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)の受験生の割合が高まり、今や4人に3人を占めるに至ったというニュースが話題になりました。

東京の難関大受験において、東京圏出身の受験生は塾などの学習サポート環境に恵まれ、かつ一人暮らしの費用もかからないという点で有利であることは、かねてから指摘されてきたことと思いますが、果たしてこれは早慶などの難関大に限った現象なのでしょうか?

過去の進学データを見ると、地方の高校生が東京への進学を避けるようになったのは難関大だけの話ではなく、大学受験全般に関して言えることであるというのがわかります。

以下は、各都道府県出身の大学進学者のうち、所在地が「東京」にある大学に進んだ割合を可視化した図です。いずれも学校基本調査より筆者作成。

30年前は、首都圏だけでなく九州や中四国など比較的広範なエリアの受験生が東京を目指していた状況があった一方、2023年になると、西日本は鹿児島を除き全府県で10%以下に落ち込むまでの変化を見せています。鹿児島が高いままなのはラ・サール中高が東大はじめ東京の難関大への受験者数を引き上げている影響の表れでしょうか。

今回の報道が明らかにした早慶合格者数の推移の前段には、受験生全体の動きとして「”非”東京志向」が強まった事情があったといえそうです。

(了)

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