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kotarostudio
恋愛至上主義
自分を愛するようにしか
他人を愛せない
高いところに
なる果実のような
見上げる言葉は
特に階級がどうのとか
言ってる訳じゃなく
恋愛至上主義だった
世界に気後れしていた
古い傷の手当てを
しないと
とか
思い出させるだけ
昔ほど
みたいな
枯れた塩水流して
星空は
ロマンチックで
いいねとかも
遠くにして
暗い部屋にひとり
ステレオの
小さな光で
慰めていた
淡い想い出
波が高く
空想を掘り起こした
桜の季節に
最後の香りを
嗅いだ身体性は
風とともに去りぬ
痛みを平らげた
逃避をまぶした
虚無に敬礼
また明日
プログラムを叩く
指先から
生まれ変わった吐息が
朝靄に広がる
終わりのない
循環
あの日のため息も
混ざって
かすかに
絡め取られ
報いに預かる
でも
あなたは
相変わらず
言葉に遊ばれているだけ
と呟くのでしょう