帰る夜道で
情けない声で
メランコリーに歌う
トムヨークが
大好きだった
ブックオフで
中古のアルバム買って
10年遅れで
波に飲まれた
生きるのが
とても狭く感じた
暗い夜道で
トムヨークが
その声でずっと
寄り添ってくれたから
その先に
辿り着いたのかも
幸せそうな
すべてを
遠ざけて
感性を因縁のまま
研ぎ澄ませて
夜の時代の風を浴びた
彼らの音しか
残らない
それだけが
生きるすべてだった
彼らしか
フェイクに満ちた
あの世界に
晒され
削られた
魂の底には
降りて来れなかった
きっと
神様が遣わしたのだろう
最後の一線に
踏み止まる
すべての存在に
生きる何かを
与えるために──
【追記】
レディオヘッド2枚目の傑作アルバム「ザ・ベンズ」の10曲目と11曲目に収録されている「ブラック・スター」と「サルク」です。このアルバムはかなり名盤なのでよかったら聞いてみてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?