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小高い丘

少し離れたところから
ここを見てみる
そうなるには
懸命に生きた時間がいる
そうなって初めて
そうだった日々に
形が生まれて
夕陽に影が
長く伸びるように
言葉に届くのだろう
人は物語らないと
前には進めないかのように
時間を区切りながら
服を着替えていく
一周回れば
何も変わっていないけど
もがいた後は
ジグザグしたままの
柔らかい円となる
少し小高い
丘の上からもまた
夕陽が街を照らすのが
よく見える
らせん状の
階段が僕らの
遺伝子と同じように
どこかへと
導いていく
少し小高い
今日が愛しい
頑張ったご褒美だ
光を浴びて
音に揺られ
人の喜ぶ姿が
幸せだと
思えたなら
それは
永遠に刻まれて
ずっと
覚えているものだよ

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