深呼吸【2】
感情のツリー
何も正しく見えてない
印象だけの
モノクロームに
切り取る街
ニヒルな煙を
巻き上げて
疲れた視界は
レンズ越しにやっぱり
曇っていた
少しずれたルサンチマン
言葉はニヒルな煙の
進化形
ポケモンで遊んだ記憶はないが
使われるニュアンスは
だいたい
集合意識に
プールされて
僕らの世界を張っている
揺れて
揺れて
嫌だなんて
言わせない
無機質な部屋
においのない部屋
孤独こそ自己責任だと
認めたくない世界線
エッジの先で
失うのが怖いまま
壊してやるよ
卵の殻を
大地に突き刺して
君がさなぎのまま
溶け出して
乾いた空気で
固まる
自我の形成過程を
リモデリングする
眠れないのも
明日のリスクで
仲間に加わるのも
不自由の裏返し
ハマる経験の無さから
死の世界へ
一直線な
帰り道
月はこの世に揺れる
あの世の夢だと
思ったことを
言語化して
満足して
やっぱり死にたいのか
生きたいのか
幻想も
境界線も
においも消えた部屋で
眠ることが
死ぬことに似た
何かだと
人類共通の認識に触れ
言葉は長く
息を吐いて
明日の朝に
深呼吸
おやすみなさい