
火を灯す
強がりみたいな
言い訳みたいな
言葉の羅列
もう言いたいことも
ほとんどなくなって
虚飾に疲れて
不安定な
不安定な
不安定な
不安定な
暗闇
暗闇の中
人の心を
覗いてみるような
揺さぶられ方
ただの鬱
黒い海
疲れたような
何かを失ったような
世界の終わり
青臭い終わり
小さく縮んだ世界の果て
小さく縮んだ小人の群れ
その先頭に僕がいる
その後方に僕がいる
手に入れることが
出来なかった
妄想が並んでいる
死にたいのか
意味を失えば
人は死にたいのか
生まれ変わりも
ドミノ倒しのように
二度と起き上がれない
死にたいのか
今夜は
珍しく
死にたいのか
違うと言葉を走らせる
青くもないし
必死で踏ん張るような
石で出来ている
時間の流れの産物
剥き出しの赤身が
生まれなかったことを
嘆いていた
あの頃の痛み
あの頃のどす黒い紫
知らない夜が過ぎていく
平気な顔して昼に紛れる
あの頃の痛みも
あの娘の気持ちも
流れ去ってしまえば
知らない夜に埋もれ
平気な昼の顔に還元される
掴んでいたい
アイデンティティ
掴み損ねた
アイデンティティ
もういいや
もういいよ
かくれんぼは
終わりにして
剥き出しの生命を始めよう
剥き出しの声明を始めよう
ひっくり返って
痛みもホワイトホールへ
この世の波も
あの世の波も
みんな冥界と繋がる
この夜に
溢れ出してくるから
死にたかったことも
言葉に紛れて
雪のように消えていく
誰でもない
誰でもない
中心は届かないまま
自分は忘れて
繋がり合う
精神生命体
臆病な
高級な
生きものの影かたち
信じてしまえば
たどり着いて
少し浮いて
遠くへ運ばれる
ここは冥界
テレビの雑音に消されない
パラダイス
言いたかったことは
生き残る必然を抱えて
空から降ってくる
そうでないものは
誰でもない
言葉のまま
誰の記憶にも
残らない
いっぱい知っている
全部忘れながら
いっぱい知っている
生きていることも
全部忘れて
そこのすべてに
嫌悪感も抱いて
でも忘れる
生きるために必要な事
すべてを残して
多くても
少なくても
このゲートをくぐるために
時間はここに
集約される
鬱だったすべてを
供養する
連なり合うすべてを
供養した
夢はいくらでも
剥いだ皮の中で
ようやく
生きることを許される
死にたいは
厚い皮に覆われた
生きたい
生きていたい
底の方から
取り出したい思い
一瞬の眩暈で
失いがちな
だから
切り離す
すべてを
気に入らない
すべてを
くだらない
すべてを
そこまで行って
やっと
長く夜を生きたら
自分が見つかって
死にたいは
一回きりの命を
灯す時間に変わる