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「人財不足」への光明

column vol.1176

先週、帝国データバンクから人手不足が原因の倒産件数が2023年度(23年4月〜24年3月)に前年度比2.1倍313件に達したと発表。

集計を始めた13年度以来過去最高件数となりました。

業種別でみると時間外労働の上限規制が4月に始まった建設が前年度比2.3倍94件物流1.8倍46件と高い伸び率でした。

…ということで…、社会全体として深刻な人財不足に直面しておりますが…

そうした中でも、労働市場に光を射す事例も見られます。

その1つが、スポットワークなのではないでしょうか。


半月で100万人を突破した新サービス

最近のトピックは何と言ってもメルカリが先月6日にリリースした「メルカリ ハロ」ではないでしょうか?

スタートから16日経って100万人を超えるなど、注目が集まっています。

〈現代ビジネス / 2024年4月8日〉

スポットワーク1〜2時間でも空いた時間で仕事ができるので、副業の受け皿となっております。

実際、スポットワーカーさんの3〜4割は正社員として仕事をしている方とのこと。

物価上昇があって、メインの収入があっても副収入が欲しいというニーズは強いのです。

また、履歴書や本人確認が不要なので、思い立ったらすぐに応募してすぐに仕事ができることも人気の1つ。

「メルカリ ハロ」の場合はメルカリで会員登録や本人確認をしていれば、そのまま応募もスムーズにできることが特長です。

スポットワークから「正社員」へ

一方、スポットワークとして知名度の高い「タイミー」でも、新たな動きが見られています。

それが「タイミーキャリアプラス」です。

〈物流Weekly / 2024年4月3日〉

こちらは、正社員としての長期就業を支援するサービス。

働き手のスキルや勤務実績を可視化する「バッジ機能」があり、雇用側に「しっかり活躍してくれる人が来てくれる」という安心感を与えることができます。

働き手もキャリア相談や、資格免許スキルの取得を目的としたリスキリング講座の受講が可能とのこと。

定職への道がより築きやすいシステムとなっております。

タイミーの小川嶺社長

「新卒市場にはインターン制度があるが、転職市場にはなかなかない」

と指摘されており、現場で実際に働いてみて、仕事の内容や雰囲気を理解した上で意思決定ができるメリットを示しておられます。

物流業界の日通でも、タイミーで何度か稼働した後に社員登用となった方がすでにいらっしゃるとのこと。

岡本俊一京都支店長

「ワーカー側も『良い会社だ』と思ってくれていたようで、良いマッチングだった。勤務経験があり、仕事が分かっているのは良い

と、手応えを口にされています。

スポットワークから正社員へ。

そんな世界が普通になる時代は、すぐにやってきそうです。

アバター接客で雇用を増やす

柔軟な働き方といえば、最近はテクノロジーの進化による「遠距離接客」にも注目したいところです。

例えば、株式会社ユニキャストと、円谷フィールズホールディングス傘下の株式会社デジタル・フロンティア、両社で共同開発したアバター遠隔接客サービス「KSIN」

先週、タイムシェア方式で利用できる「KSIN Time Share」を追加されたことが発表されました。

〈DREAM NEWS / 2024年4月5日〉

「KSIN」とは3DCGの高精細なアバターを搭載した遠隔接客サービスです。

接客スタッフの表情をカメラで撮影しリアルタイムにアバターに反映するため、アバターを介してもなお自然で和やかなコミュニケーションを実現

接客のイメージは、こんな感じです。

KSIN

このアバター接客により、働き手は場所を選ばずに就労でき、新たな労働力の掘り起こせると期待されています。

…とはいえ…、アバター接客はまだ一般的ではないので、簡単に、かつ手軽にトライできるようタイムシェア方式をローンチしたというわけです。

月額や年間の契約なしに、10分以内であれば15回まで無料で利用可能に。

10分以上の予約の場合も一人200円/10分で利用することができるようになりました。

こうした取り組みにより、柔軟な働き方が広がっていけば良いですね😊

一般的になりつつある「アルムナイ採用」

最後は、少し趣向を変えて、最近一般的になりつつある採用のカタチについてご紹介して締め括りたいと思います。

それは、「アルムナイ(卒業生)採用」

これは、一度退社した社員を再雇用するというもの。

例えば、三菱重工が23年10月に「採用直結型」のアルムナイ採用を導入するため、リクルートのカムバック採用代行サービスを導入。

〈日経ビジネス / 2024年4月8日〉

退職者が専用サイトに登録すれば経験に合った求人案件を見たり、コーディネーターに相談したりできます。

導入後、予想以上に登録が殺到

半年もたたないうちに数百人が登録し、すでに数人に内定を出したとのこと。

専門性の高さからか航空部品などの部門が多かったそうです。

また、私が専門とする小売業でも、ファンケルは2024年3月から、店舗スタッフ退職者のアルムナイ(退職者)採用制度「ファンケルカムバック採用」を強化していることを発表。

〈オフィスのミカタ / 2024年3月28日〉

自社での経験もあり、他社での実績もあるアルムナイ人財は、企業にとって新しい風を吹き込む期待すべき存在になり得ます。

今日の事例に一貫するのは、柔軟な働き方と採用方法

こうした柔らかな発想で、人財不足解消に向けての一歩が踏み出せるとよいですね😊

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!

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