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本の感想とティーンエイジャーの精神疾患

例にもれず、この記事にもネガティブ、センシティブな話題が出ます。
苦手な方はご注意ください。


本の感想、精読多読について

私が最近読んだ二冊の本とその感想を書きたいと思う。
まず一冊目はアメリカの作家ジョン・グリーンによる「どこまでも亀」。
強迫性障害を抱えるティーンの女の子が主人公だ。(抱えるという表現があまり好きではない、もっと、それはその人の一部であって全部ではないということが伝わる表現にしたいが、主人公のアーザはかなり生活がOCDに支配されている感じがしたのでこう書いた。○○に苦しむ、も本当にその人の苦しみが分かるわけではないので、簡単に使いたくない。難しい。)

二冊目はムスリムの女性作家であるヤスミン・ラーマンによる「ラストフレンズ」という本。自殺願望のある三人のティーンエイジャーの女の子が集まり、当初は自殺サイトに従って自殺の計画を立てるが、途中でよくないと気づく物語だ。三人それぞれが直面するメンタル・家族の問題、10代の精神疾患、10代のムスリムの悩み、母と子の関係などが描かれる。

どちらの本も1,2年前に一度読んだことがあったのだが、図書館で見つけてもう一度読んでみた。わたしは普段多読派で同じ本を二回読むことはないが、今回読んでみて精読するのもすごく楽しいと思った。これを機に、今まで読んだことのある本をもう一度読んでみるのもいいかもしれない。本の結末がハッピーエンド、あるいは事態が好転して終わることを知っているので、安心して読める。一回目は気が付かなかったことに気づけるし、結末にどうつながるのか、細かいところまでじっくり考察しながら読めるのが面白い。

10代の精神疾患、幻聴について

本の内容に関しては、二つとも共通するところがあった。それは主人公に幻聴が聞こえることだ。1冊目では主人公のアーザ16歳、2冊目では、3人のうちの一人、ミーリーンだ。幻聴の内容は違うが、自分を責めたり、命令したりする言葉が声になって頭の中で聞こえる。実は子供の幻聴体験は珍しいものではないらしい。わたしのきょうだいも幻聴が聞こえたり精神疾患を抱えていたりする。しかし初めてそれを知ったときはなかなか信じることが出来なかった。自分が体験したことないし、まれにしか起こらないものだと思っていたからだ。でもこの二冊の本でも読んだ通り、幻聴や精神疾患に悩む10代は多いことを知った。周りにきょうだい以外に精神疾患に悩んでいる人がいたら、今度はもうそんなに驚かずに受け止めることができるかもしれない。

ミーリーンとわたしのカオス

「ラストフレンズ」では、三人それぞれ母親との接し方や距離感などに悩んでいると感じた。三人は性格がそれぞれ違うが、3人とも共感できることがあった。母親の彼氏に性的虐待を受けているオリヴィアが、母の気持ちや状態をすごくよく察して話したいことが話せないところ。自動車事故で父親を亡くし自らも車いす生活になったカーラが、過保護な母親にイラついているところ。そして最も共感できたのは、ミーリーンの頭の中で自分を馬鹿とクズとか周りに嫌われている、という声が聞こえる、ミーリーンが「カオス」と呼ぶ状態だ。カオスに陥るとミーリーンはリストカットをしてしまう。わたしは幻聴はないが、時々、周りの人の言動や将来のことを考えすぎて、ちょっとしたことですごく怖くなって焦りがやばくて、その気持ちを消すためにリストカットやODをすることがある。ミーリーンのカオスはこんな感じなのではないだろうかと思った。ミーリーンはほぼ毎日カオスに悩まされるが、私の場合は1か月に一回か二回で、それが短くて2,3日、長いと1週間くらい続く。去年から何度もカオスに陥ってるけど、ODをしてかき消すようになったのは数か月前だ。ちなみにchaos(カオス、混とんという意味)の反対はcosmos(コスモス、秩序がとれた状態)であるが、ODをして脳の化学物質をいじっているのは秩序が取れた状態といえるのか。表面上はコスモスで穏やかだが、矛盾している気がする(笑)。

話がそれたが、私が不安で焦ってどうしようもなく消えたくなる現象に「カオス」という名前がついた。これでどれくらいの頻度でカオスが来るのかなど、自分の状態を把握することが少しは楽になる気がする。前までは、例えようがないくらい恐ろしかったが、名前を付ければ少しはましに思える。(またカオスが来たらそんなことないって思うかもしれないけど、今はそう思う。)のちのち一番怖かったカオスについても書くかもしれない。今までのカオスを整理するためにも。

読んでくれてありがとう。 るえな

おまけ 私のメンタルについて 

わたしにはカオスのほかに、楽しくなってずっと何か作っていたり動いていたりする期間があるが、これにはなんて名前を付けたらいいのだろうか。以前わたしのカオスと楽しい期間についてメンタルクリニックで話したところ、双極性障害の2型に似ている(似ているだけでそうではない)と言われたことがある。だから医学的にいえば躁状態に近いのだろう。でも私は病気ではないと強く思う。自分の過去の行動のせいでこうなってるし、行動や捉え方など心の持ちようでどうにかなるのではないかと思っているので、躁と呼ぶのは本当に双極性障害に苦しむ人に失礼だと思う。精神疾患の方に関しては、環境が悪かったり、頑張りすぎたりして病気になっている人がほとんどだと思うけど、わたしの場合はそうじゃないし完全に逃げと甘えだ。言い訳をしてODに逃げているだけだ。本を読んだり調べたりして、カオスが少なくなるように努力しなければならないと思う。

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