【ゾッとする話】「ついに明かされたあのランキングの謎」がある幸せ
今から10年ほど前
妻がとある観光施設でアルバイトをしていたときのことです
「いつも猫背になってるから、もっとピシッと背筋を伸ばしてね」
ある日の朝礼で
バイト先の支配人が、猫背になっていた社員さんを指導します
注意された社員さん
その場で背筋を伸ばそうとするものの
猫背が長年のクセになっているのか、支配人が思うような「ピシッ」とした背筋にすることができません
見るに見兼ねた支配人
「ちょっとこしば屋さん、こっちにきてもらっていいかな」
妻を呼んで背筋を伸ばすコツを伝授します
「私が今からやる3ステップを真似してください、まず手を頭上に伸ばして・・・」
妻は支配人の動きに合わせて手を上に伸ばします
「次に、手を広げて・・・顎を引いて・・・」
引き続き、間違えないよう慎重に支配人の動きを真似ます
「最後に、そのままの姿勢で自然に手を脱力すると・・・」
言われるままに脱力する妻
すると・・・
「これ!綺麗な背筋の完成」
妻曰く、その3ステップを経ると必ず背筋がピシッとなるとのこと
「さあ、みんなもやってみて!」
支配人が、猫背の社員さんも含めた朝礼の参加者全員に促します
「いち・・・にー・・・さん!」
朝礼の参加者全員がピシッと綺麗な背筋に
・・・はならず
猫背の社員さんは猫背のまま
「えっ・・・何で!?」
支配人が目を疑います
「もう一回やってみて、いち・・にー・・さん!」
・・・やっぱり猫背
そして、何度やっても同じ結果
「にー」までは綺麗な背筋
しかし、なぜか「さん!」の瞬間に猫背に戻ってしまう
「これで背筋がピンとしなかった人はこれまでいないんだけど・・・『にー』と『さん』の間に何が起きているんだろう・・・」
元一流ホテルで働いていた支配人
何とかできないかと分析するものの、開店時間で時間切れ
「何でだろう・・・これで背筋が直らなかった人はいないのに・・・」
がっくりうなだれて、執務室に戻っていきました
こんな一風変わった猫背社員さん
勤務場所は妻と同じ、お土産物売場
売場の商品を整え、接客をして、レジを打って商品を梱包する
大まかな仕事の流れはこんな感じでした
ある日の夕方
1人のお客さんが来店します
見るからに観光客の方
チョコレートを手に取っては元に戻し、観光施設をモチーフにした置物を手に取っては元に戻し・・・
悩みに悩んだ挙げ句、何を買ってよいか決めきらない様子
「すいません、こちらのお店って何がおすすめですか?」
フラフラとレジに来たお客さんが、猫背社員さんに問い掛けます
「・・・えっと、おすすめの商品はあちらを見て頂けると・・・」
猫背社員さんの指差す方向にあるのは
『おすすめ商品ランキング』
1位から10位まで、その店舗のおすすめ商品がランキングされています
「あー、こんなのあったんですね、ありがとうございます」
そのお客さん、ランキング表を眺めては
「3位の商品って、どこにありますか?」
「1位の商品って、賞味期限、いつまでですか?」
猫背社員さんに問い掛けます
そんなやり取りをしながらお土産を買い揃えたお客さん
「ありがとうございました、無事にお土産買えました!」
両手に買い物袋をぶら下げて満面の笑みで帰っていったそうです
そこからしばらくした後
意外な人物がお土産物売場に現れます
「お疲れ様ー、どう頑張ってる?」
それは何と社長
複数の店舗を経営しているため、滅多に店舗に顔を出すことがない社長がアポ無し来店
少し緊張した雰囲気が辺りを包みます
「店長は?」
社長はキョロキョロと辺りを見回しながら、猫背社員さんに問い掛けます
「今日は店長お休みです」
店長はあいにくのお休み
社長が来たときは基本的に店長が応対しますが、その日は猫背社員さんが応対を続けます
「ここは面白いレイアウトだね・・・ここはちょっと雑然としてるから整理した方がいいな・・・」
店内を回りながら、社長からいくつもの指導が入ります
「はい、わかりました、明日店長に伝えます」
猫背社員さんは真面目なタイプ
社長の指導に耳を傾けます
「こんなところかな、店長によろしく伝えておいてね、今日はありがとう」
一通りの指導が終った後の社長から労いの言葉
いざ帰るか、というそのとき
社長から最後の質問が投げ掛けられます
「あっ、そういえば、あの『おすすめランキング』いいね、他の店舗にも導入しようかな」
社長の今日一番の笑顔
「誰の発案なの?」
社長が猫背社員さんに問い掛けると
「店長です」
猫背社員さんがすかさず答えます
「ランキングはどうやって付けてるの?
売れた個数?金額?とかで集計して、人気があるものから順番にランキングされてるのかな?
どういうタイミングで見直してるの?」
社長と猫背社員さんのやり取りを聞いていた妻
妻はアルバイトだったため、『おすすめランキング』がどういう経緯で作られているのか知りません
(確かに、あのランキングって、どうやって付けられてるんだろう・・・)
経営者である社長の鋭い質問
猫背社員さんが何と答えるのか、固唾を飲んで見守っていると
猫背社員さんが大きな声ではっきりと社長に回答します
「そのランキングは・・・
賞味期限が近い順です!」
・・・一瞬、時が止まり
「えっ?何?」
何を言ったのか理解できなかった社長
「賞味期限が近い順です!賞味期限を見て定期的に順位を入れ換えています!」
猫背社員さんは臆せず説明を続けます
「えっ、えっ・・・?」
戸惑う社長
「ですから、そのランキングは賞味期限が・・・」
説明を聞き逃したと思ったのか、説明を繰り返す猫背社員さん
「あっ、大丈夫、大丈夫・・・お客様の前で話すことじゃないけら、ちょっと裏行こうか」
社長と猫背社員さんはバックヤードに消えて行き
その翌日、猫背社員さんは店長に厳しく指導されましたとさ
以上!
いかがだったでしょうか
もう10年近く前の話、かつ、今は存在しないお店の話ですので、悪しからずご理解ください(汗)
しかし、このお店のおすすめランキングについて皆さんどう思われますか
「そんなの不誠実だわ、許せない!」
という方もいれば
「企業努力じゃない、面白いね」
と、賛否両論あるかと思います
念のために付言しておきますが、このお店は「おすすめランキング」と言っているだけで
「人気商品ランキング」とは言ってないので、嘘を付いているわけではありません
賞味期限の問題を解消するために店長が絞り出した苦肉の策ですし
嘘を付いているわけではないので、これ自体が悪いことではないと思うのですが
猫背社員さんが店内で堂々と言ってしまったのはちょっとマズかったですかね(汗)
しかし、この真面目な猫背社員さん
お客さんに「このランキングはどうやって付けてるんですか?」と聞かれたらどうしてたんでしょうか・・・
社長のときと同じように
「賞味期限が近い順です!」
って答えてたかもしれないな・・・と思うと、さすがにゾッとしますね
ではまた!