【読書】神さまのビオトープ
神さまのビオトープ
凪良ゆう
前回に引き続き凪良ゆうさんの作品を読みました。
何度か書いているとおり、彼女の作品のファンのひとりです。
“流浪の月“から読み始めた凪良ゆうさんの小説。
紡がれる言葉に秘められたメッセージと描かれる情景の綺麗さに心が惹かれる感覚を覚えました。
それからというもの、まだまだ作品があることを知り、読破したい欲に従い読んできたのですが…
ついにわたしの本棚にある最後の一作を読み終えました。
最後に手に取ったのは ”神さまのビオトープ”。
主人公は事故で亡くした夫「鹿野くん」の幽霊と一緒に暮らすうる波。
そしてその周りの人たちが秘める愛情に関する四つの物語。
個人的に印象に残っているのはこの文章です。
人が何を好きで、何を考えて、何を幸せと感じるかなんて自由なのに
その価値観を自分基準で判断してしまうことがある。
私自身も傷つける側になった経験があります。
そんな自分にぐさりと刺さる言葉でした。
人の多様な感情を認められる自分でいたいと思わせてくれました。
凪良作品は一貫して定型のない人の心について
それが自由であっていいと教えてくれます。
人の心が曖昧であるが故に生まれる苦しさを優しく汲みとってくれる。
そんな風に感じます。
繊細な人にこそ響く言葉の数々に救われる人が多いのではないでしょうか。
次の作品がとても楽しみです。