#もう苦くない
家から徒歩5分
小さい頃からの遊び場に近く。よく店の前を通り、足を運んだ。
僕が初めてブラックコーヒーを飲んだのはこの店だった。幼稚園生?小学生の時かな?祖父祖母に連れられて行ったときに、祖父がブラックコーヒーを注文した。そして、僕はコーヒーを飲む祖父の姿をみてかっこいいと思った。
僕は、すぐに「ひと口ちょうだい」とおねだりをした。最初、祖母に苦いからやめなさいって言われたけど僕は飲めると言い張りひと口もらうことができた。今でも覚えている初めての“苦い”という感覚
それから僕は大学生までブラックコーヒーを飲むことがなかった。この店で頼むのは決まってサイダーのようなメニューだった。自分でグラスに注ぐタイプでちょっとしたご褒美のような飲み物だった。
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そんな店が昨年5月に閉店していた。
偶然、その店の前を通りかかったときに目に入ってきた閉店を知らせる張り紙。地元を4年間離れていたので、ここ4年は店に足を運べていなかった。すごくショックだった。
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でも、その悲しみも一瞬のものだった。
3月に、また店の前を通りかかると今度は再開の張り紙が出されていた。
すごく嬉しかった!
そして、今日。僕は5年ぶりに店にいった。
変わらない店内と雰囲気。
注文したのは、“ブレンドコーヒー”
15年くらい前の僕に教えてあげたい。コーヒーが飲めるようになったよって。苦く感じなくなったよって。
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僕が幼稚園生、小学生の時と比べたら福島という町もかなり変わったと思う。
いいことだと思う。なぜなら、新しい施設や店ができて楽しみが増えているから。
でも、それと同時に思ったことがある。町が変わり、新しいお店ができていいなって思えるのは昔から変わらずあるお店があるからこそなんだろうなって。
昔からあるお店、新しいお店。両方があるからいいよね
新しいお店や流行りに目移りばかりするのではなく、もっと大切にしなければいけないものがあるということを忘れないように