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掌編小説

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#短編小説

【小説】諾々

 4月も後半になってきたからか、あんなに寒くて嫌だった夜風が、むしろ気持ち良く感じてくる…

たま
2年前
2

【小説】AIスピーカー

「サミー、おかえり」  リビングに小さな光が灯り、2秒ほどの間が空いてから無機質な声が部屋…

たま
2年前
1

【小説】ピノキオみたいな

「ごめん、待った?」  肩上の長さで揃えられた髪を揺らしながら、春香が僕の元へ小走りでや…

たま
2年前
8

【小説】よしゆき村

 そう遠くない昔、三陸のとある山麓に、よしゆき村と呼ばれる村があった。  正式な村名は他…

たま
2年前
2

【小説】28歳

 目が覚めると、見知らぬ部屋の見知らぬ布団に包まっていた。  起きあがろうとすると、「起…

たま
2年前
4

【小説】黒い桜

 春になると僕のベッドからは、病院の入り口のところに咲いている桜を見ることができる。この…

たま
2年前
3

【小説】明晰夢

 傘に当たる雨音が、どんどん大きくなってくる。  耳を塞ぎたくなるほどに煩いけれど、傘と鞄で両手は埋まっている。  傘が飛ばされそうなほどに強い風により、袖はもうびしょびしょに濡れてしまった。  家路を急ぐため小走りをしようするも、一向に進む気配がない。  おかしいなと思い足元を見ると、地面に足がついていなかった。ああ——僕は今、宙に浮いているのだ—— ——————————————————————————————  目が覚めると、そこは電車の車内で、電光掲示板には僕の家の

【小説】直子

 学校へ向かう電車に乗りながら、スマートフォンを操作しLINEの友達リストを一通り確認する。…

たま
2年前
3

【小説】ポリメリアン

「あ、ポリメリアンだ。かわいー」  見慣れた道を歩きながら、ちぎれんばかりに尻尾を振るポ…

たま
2年前
6

【小説】役作り

 ギュシューッと大袈裟な音を立てながら、電車が止まる。  こんなご時世もあってか、この駅…

たま
3年前
1

【小説】第六感

 それは火曜日の朝。  いつもより早く目覚めてしまい、頭を目覚めさせるためにコーヒーを胃…

たま
3年前
5

【小説】傷心旅行?

 「希ちゃん、明日以降の業務の引き継ぎ資料送っておいたから、目通しておいてね」  隣の席…

たま
3年前
4

【小説】最後の晩餐とカップラーメン

 「最後の晩餐に食べたいものは何か」と、学生時代そんな話題が上がるたびに、僕はカップラー…

たま
3年前
8

【小説】2分55秒

「はじめまして。平岡麗奈です」 「平岡ユリ……さん?」  目の前にいる男性が、手元の紙に書かれた私の名前と、私の顔を交互に見る。  婚活パーティも終盤に差し掛かり、この反応にも慣れてしまった私は、目の前の男性のプロフィールカードを確認した。  『趣味:バイク、カメラ』『好きな映画:洋画全般』『性格を一言で:マイペース』……。どれを取っても話題になりそうな内容はなく、残り2分55秒をどう過ごすべきか必死に頭を回転させた。  30を間近に控えた私は、最後に恋人と別れてから1年以