【小説】最後の晩餐とカップラーメン
「最後の晩餐に食べたいものは何か」と、学生時代そんな話題が上がるたびに、僕はカップラーメンを食べたいと答えていた。
とはいえ学生時代にカップラーメンを頻繁に食べていたわけではなく、栄養管理士の資格を持つ母親がカップラーメンを毛嫌いしていたのもあり、滅多に食べられないものであった。
そのため、中学生の頃に初めてカップラーメンを食べた時から、密かに食べた時の背徳感や普段味わうことのない濃い味付けに、僕は虜となっていた。
特に『カップキング』というカップラーメンが好きで、