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採用を支援する仕事から、採用・組織づくりを自ら担う仕事へ「コミュニティメンバーのキャリアトークvol.2」を開催しました!

今回は、2024年8月22日(木)に開催したイベントについてレポートします。

第二弾となる本イベント「キャリアトーク」は、TalkCampコミュニティのメンバーをゲストスピーカーにお呼びし、これまでのキャリアやHR・採用業務に関わる学びや困難まで、さまざまなエピソードをインタビュー形式でお聞きする企画です。

第1回のイベントレポートはこちら👇

採用担当者をはじめとする人事の方々は、普段は候補者や社員のキャリア相談を聞く側のことが多く、自身のキャリアについて相談・ディスカッションする機会は少ないのではないでしょうか。

有識者・著名人のゲストではなく、身近なコミュニティメンバーをスピーカーに迎えることで、「価値観」や「生き方の選択肢」について共感と気づきを届けることを目指しています。

今回のキャリアトークは、各種領域で人材紹介の仕事を経験後、ベンチャー企業にて採用や組織開発を手掛けているむかいさんをスピーカーにお迎えしました。さまざまな業種・業界を経験するなかで形作られた軸とスタイルについておうかがいすることができました。

ご参加されていない方でもご自身のキャリアの参考にできるよう、当日のエッセンスをお届けしたいと思います。

対談

きく人:天満 茜(てんま あかね)
不動産ディベロッパーで4年ほどひとり人事・採用担当を経験。今年の5月にフリーランスとなり、(前職の人事業務も雇用形態を変えて継続しながら)TalkCampの運営や採用支援業務に従事。週末はスナックのママをやっています。

はなす人:むかいさん
ショッピングセンターからキャリアを始め、各種領域で人材紹介の仕事を経験。現在はベンチャー企業にて採用や組織開発を手掛けています。

大手安定志向からのスタート

天満: むかいさんの最初のキャリアはどのように始まったのですか?

むかいさん: 私の学生時代の就職活動の軸は、わかりやすく大手安定志向でした。しかし、当時は東日本大震災の影響もあり、選考を絞っていた企業が多く、選択肢が狭まってしまいました。そのような中で最初に内定をもらった、ショッピングセンターを運営している企業に進むことを決めました。

天満: 震災の影響で2011〜2012年の就職・採用状況は厳しかったと聞きます。入社後はどのようなお仕事をされたのですか?

むかいさん: 最初の職場では、バーゲンなどのPR媒体のチェックやショップの不動産管理、フロア担当など、さまざまな業務を経験しました。当時は自分の不器用さもあり、失敗も多く、落ち込むことが多かったですね。

天満: 現在の人材領域のお仕事とはまた違った分野だったと思うのですが、就職活動のときはどのようなところに魅力を感じていたんですか?

むかいさん: 回りの同期はファッションが好きという人が多かったのですが、私はビジネスモデルが好きという想いをぶつけて押し通しました。少し変わった応募者だったかもしれません(笑)。

最初は王道、次に逆張りのスタイル

天満: その後、人材系のベンチャー企業への転職をされたとうかがいましたが、どのようなきっかけがあったのですか?

むかいさん: 1社目ではやる気が空回りしている感じがあり、安定しているとはいえ、何年も働き続けるイメージがわきにくくなっていました。ベンチャーでの仕事を楽しそうに働く知り合いの話を聞く機会もあり、反対の環境のベンチャーでならもっとイキイキと働けるのではないかと思うようになりました。転職活動のときは、ベンチャーの営業になることしか考えていなかったですね。

天満: そこまで反対の方向に振り切れるのもすごいですね。人材業界に絞っていたわけではなかったのですか?

むかいさん: そうですね。大学時代の友人経由で転職相談をしたときに、転職先の会社を紹介されました。人材領域は当初想定していなかった業界でしたが、今となってはその人の言うことを聞いてよかったと思います。

天満: 実際に前職と全く違う環境で働いてみてどうでしたか?

むかいさん: 看護師の人材紹介をやっていたのですが、最初は目標未達が続きました。ただ、自分は仕事ができないという落ち込みよりも、うまいやり方を見つけられていないという感覚のほうが強かったです。だんだんとやり方が分かってきて、半年経ったときに初めて目標を達成できました。その後、どんどん達成が続いて、仕事が面白くなってきましたね。

天満: うまくいった背景には、どのような工夫があったのでしょうか? 

むかいさん: 当時は九州の未開拓ゾーンを担当していました。既存のお客様との取引で成果を作っていくのが定番パターンなのですが、そのやり方だと先輩にはとてもかなわないと気づきました。先輩とは違ったことをやらなくてはと思い、新規開拓に力を入れる方針に切り替えたのです。結果的に、幅広いチャネルから情報を得ることができて、マッチングのイメージを広く持てるようになったのが大きいと思います。

天満: 転職のときのエピソードでも思ったのですが、最初は王道を行って、そこから逆張りをするという成功スタイルがありそうですね。

むかいさん: やるとなったら徹底的にやるほうだというのもあると思います。まずは看護師さんの行動を知ろうと思って、毎日ハローワークの求人をチェックしていました。そこから求人が出ているところにしらみつぶしに架電をして新規開拓を進めていました。

企業と候補者に徹底的に向き合う厳選紹介スタイル

天満: 2社目のベンチャーでのお仕事は順調だったと思うのですが、次の転職のきっかけは何だったのでしょうか?

むかいさん: 電話営業が主な業務で、相手の顔が見えないことに違和感を感じていました。条件だけのマッチングだけでなく、候補者の方へのより深いヒアリングにもとづいたマッチングに関わりたいと思い、ブティック型のより小規模な人材紹介会社へ転職しました。

天満: 実際にその環境身を置いてみて、いかがでしたか 

むかいさん: 仕事へのプロ意識がかなり高まったと思います。企業と候補者両方の視点を考える経験ができたので、両者との関係構築をより深くできるようになりました。

天満: その次のお仕事も人材紹介だったのですよね。

むかいさん: はい、ブティック型の人材紹介会社の次に、今度は大手でキャリアアドバイザーとして対面での紹介業務を行っていました。パッケージ化や省力化がどんどん進む中ではありましたが、一人ひとりに向き合うスタイルが自分には合っていると感じました。

天満: 候補者の方に企業を紹介するときに心がけていたことはありますか?

むかいさん: 大量に求人を紹介するのではなく、厳選して紹介することにこだわっていました。序盤の面談で候補者の方のキャリアの方向性をじっくり考え、その未来に合った企業を絞り込んで提案するよう努めていました。最終的な採用決定数は目標に達していましたが、提案数などのパフォーマンス指標は満たせていないことも多くて、よく怒られていましたが…。

天満: むかいさんのように厳選された紹介で採用を決めていくのは、いざ実行しようとすると難しいスタイルなのではと思いました。

むかいさん: やはり候補者の方のことをよくわかっていないといけないと思います。候補者の方のモチベーションをしっかりと理解して紹介しないと、紹介した会社の面接で候補者がうまく話せないということが起きてしまいます。モチベーションにうまく合う企業を紹介するためには、企業や求人についての深い理解も必要になりますね。

天満: 企業と候補者の両方を相手に人材紹介の経験を積んできた、向井さんだからこそのスタイルなんですね!

経験を総動員し、社員が活躍できる仕組みをつくる

天満: 現在はベンチャー企業で採用や人事をされていますよね。人材紹介の仕事から事業会社の人事に転じようとしたきっかけは何だったのでしょうか?

むかいさん: それまでは企業の採用活動を支援する役割でしたが、実際に施策を決定して動かす側の立場を経験したいと思いました。

天満: 複数の会社を担当する仕事から、1つの企業のために注力する仕事への変化には抵抗もあったのではないかと思いますが、迷いはなかったんですか?

むかいさん: 事業会社に転職するなら死ぬ気でその会社を愛してやらないといけないと思っていたので、安易に決めては絶対にダメだと思っていました。当時、転職の軸を2つ設けていたのです。ひとつは人事であり、かつカオスな環境です。「カオス」というのは制度が整っていなくてイチから作り上げなくてはいけないような環境のことで、ベンチャーやスタートアップが当てはまると思っていました。もうひとつは、これまでの自分が培っていた価値観とマッチするところです。

天満: 現在の職場はいかがですか? 

むかいさん: 充実感があります。ベンチャーのため、手探りで作り上げていくところも多いのですが、そこは最初から覚悟していたので柔軟に対応できていますし、できない理由を探すのではなく、できる理由を探して、社員が活躍できるきっかけをつくることにはやりがいを感じます。

天満: 私も事業会社のひとり採用担当をやっていましたが、人材紹介の仕事と大きく違うのは、採用した人が自社で活躍している様子を見られることではないでしょうか。

むかいさん: その通りですね!採用した社員が活躍するために、仕組み上の不満などを解消していく取り組みは、非常に意義深いですね。採用して終わりではなくて、活躍するための仕組みを整えるところまで自分でできるところが、ベンチャーならではのやりがいだと感じています。

ネガティブな離職を減らしたい ~答えのない課題に向き合う面白さ~

天満: 最後に、向井さんが未来に向けて、どのようなモチベーションを持っていらっしゃるのかをおうかがいしたいです。 

むかいさん: 採用から会社を変えたいと思っています。従業員が定着し、活躍できる環境を整えることを通して、競合も多くいる業界で頭一つ抜けられる企業になるよう貢献したいですね。

天満: 会社とともに成長していきたいという思いが強くあるのですね。 

むかいさん: 自分の視点ではそうです。もう少し社会的な目線で言うと、3年で3割の離職がある就職・採用環境を何とかしたいと思っています。その課題を、現職の事業では解消できそうだという手応えを感じています。会社に入ってから「こうじゃなかった」というネガティブな転職を減らしていきたいですね。

天満: 人材に関する課題に向き合っているのは、これまでのお仕事と共通していますね。

むかいさん: そうですね。離職の問題は簡単には解決できませんが、それでも人材の課題やその解決策を考えることに、やりがいと面白さを感じ続けてきたのだと思います。常に情報をアップデートしながら答えのない問題に向き合っていけるのは貴重な体験ですね。

天満: むかいさんのキャリアは、振り返ればすべてがつながっているように感じますね。 

おわりに

販売店から人材紹介、そして企業の採用・組織開発と、さまざまな業種・業界を経験されてきたむかいさん。
その背景には、お客さまや求職者の方に徹底的に向き合う姿勢と、王道に安住せずに自分ならではのスタイルを確立する発想があることがうかがえました。
これまでの経験が、結果的に現在の仕事にすべてつながるようなむかいさんのエピソードは、採用・HR領域の方々のキャリア開発の参考になるのではないでしょうか。

TalkCampでは、今後も採用・HR担当者のキャリアをテーマにした企画を発信していきます。
キャリアトークの第3弾も開催予定ですので、ぜひご参加ください!

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