長篇【僕らの唄が何処かで】⑦ 西野七瀬
特別を経験すると、多岐に渡る違和感が強く残る。
京都はまさにその”特別”を普段に作り替えたような場所だ。実際は変わってしまった日本文化と文明の両立が京都の場合、風情に重きを置いてる。
日本の毒に近い都会の濁りは京都に来るだけで新鮮に思えて、真新しい景色に囲まれて些か疑問も生まれる。
『そうだ、京都へ行こう』
七瀬が言い出した旅の行き先は、こんな感じで節操ない雰囲気だった。
幸いにも宿泊券が使える宿が京都で見つかり、僕らの行き先は案外すんなり決まった。
京都に行って