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Tale_Laboratory
2022年10月17日 06:44
とある作家がいた。彼は群像劇が得意だった。大勢の人物が、それぞれ違う場面で物語を繰り広げ、最後には全てが一つに集約される。それはバラバラだったはずのパズルのピースが一つ一つはめ込まれていき、物語のクライマックスで完成を迎える。その爽快感が多くの読者を魅了し、世界中にファンがいた。しかし一つ難点として、彼は執筆が遅かった。物語を書いては休載し、再開して続きを書いてはまた休載しを繰り返していた。
2022年10月16日 09:21
いや、もう最近は商売上がったりよ。その悪魔はタバコを片手にそう呟いた。彼らは地上に地獄を作り、人々を恐怖と絶望に落とすのが仕事だ。だが、そんな彼らも今の時代ではため息をついている。昔は良かったと悪魔は言う。かつては、天災など人間が理解できないもの、対処できないものは悪魔の所業と畏れてくれた。だが、科学の発達が森羅万象を数字と式に分解してしまった。そこから人間は自ら世界に地獄を作り出し
2022年10月15日 11:26
季節ごとのイベントというのは特別な需要を生む。クリスマスにはおもちゃが売れるし、バレンタインにはお菓子が売れる。そして、今はじきにハロウィンを控えた時期だ。今日はとある農家を取材のために訪ねている。ハロウィンと農家と聞いて何を連想するだろうか?かぼちゃ?確かにそうだ。ハロウィンとかぼちゃは切っても切り離せない。だが、他にもハロウィンに欠かせないものがこの農家で作られている。農家の主に
2022年10月14日 08:51
「マジか・・・」それは朝一番に知らされる。朝、目が覚めたと同時に直観で分かるのだ。今日の自分はヒーローだと。世界中に平和を乱す悪が毎日のように現れる。そんな悪と戦うために存在するのがヒーローだ。「なんで俺が・・・」だが、進んで戦いの場に踏み出し、さらにそれを続けていく度胸のある者は案外少ない。空想の中でヒーローになりたい者は大勢いても、現実で痛い目を見たい者はいない。「あ~~~、