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空想お散歩紀行 強制的正義の味方

「マジか・・・」
それは朝一番に知らされる。
朝、目が覚めたと同時に直観で分かるのだ。
今日の自分はヒーローだと。
世界中に平和を乱す悪が毎日のように現れる。
そんな悪と戦うために存在するのがヒーローだ。
「なんで俺が・・・」
だが、進んで戦いの場に踏み出し、さらにそれを続けていく度胸のある者は案外少ない。
空想の中でヒーローになりたい者は大勢いても、現実で痛い目を見たい者はいない。
「あ~~~、マジか~~~」
だからか、この世界では毎日その日のヒーローが強制的に決められる。
老若男女関係無し。その人間がどのような人生を歩んできたのかもお構いなし。
ヒーローに選ばれた人間には強大な力が与えられ、世界に蔓延る悪を一つ倒さないとその力が解除されることはない。
「どうすりゃいいんだ?」
選ばれる確率は1%よりさらに下。だが決してゼロではない。
そして与えられた力は悪を倒すことのみに使うことを許されている。
かつて、ヒーローの力を手にした人間がそれを悪事に使った。
その瞬間、その者は力をはく奪されただけでなく、体全てが塵のように消えてしまった。
「確かにすげー力みたいなのは感じるけど、まず何すりゃいいんだ?敵と戦うたって怖えーよ」
力は与えられても、心まで強くなるわけではない。
しかし、その日のヒーローに選ばれた者は戦わなくてはいけない。
毎日のように現れる敵、そして毎日のように戦うヒーロー。
まるでゲームのように展開していく世界の日常。何かの意志がその背後にあるのか、そんなことは誰も分からず、このルールは1000年の間続いている。

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https://note.com/tale_laboratory/m/mc460187eedb5

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