糖質制限をの核心に迫る、重要用語5選
糖質制限ダイエット自体はシンプルで、普段の食事から糖質を避ける食事制限方法です。
これ自体は高い効果が認められています。
それにもかかわらず、『糖質制限は危ない!』、『糖質制限では痩せなかった』、『糖質制限で体調を崩した』など、人それぞれで意見が異なるのはなぜでしょうか?
それを知るためには、糖質制限をする上で知らなければならないメカニズムがあります。
そのメカニズムを知る上で重要な用語を5つに絞り込みましたので、内容をご紹介していきます。
【生体恒常性(ホメオスタシス)】
ざっくり言うと、『体に起こった異変に対して、自動的に対応する機能』です。
具体例があった方がわかりやすいですよね、このような反応です。
・気温が高くなる→たくさん汗をかく→体温を下げようとする
・気温が低くなる→体が震える→体温を上げようとする
・食事をとる→血糖値が上がる→血糖値を下げるホルモンが出る
・病原菌が体内に侵入する→病原菌を倒すための白血球が集まってくる→病原菌撃退
もし、この生体恒常性が、”機能しない”場合、逆の事が起こります。
・気温が高くなる→体温が上昇し過ぎる
・気温が低くなる→体温が下がりすぎる
・食事をとる→血糖値が上がる→高インスリン状態
・病原菌が体内に侵入する→浸食が進み様々な病気リスクに繋がる
つまり、様々な外的要因(病原菌など)に、意識をせずとも自動的に体が対処してくれるシステム。
これが、『生体恒常性』になります。
話を、糖質制限にフォーカスしてみましょう。
糖質制限をする上で重要なことは、
『糖質を制限する事で、体内でどのような変化が起こるのか?』
つまり、『生体恒常性』にどのような変化が起こるのかを知る必要があります。
通常の食事をする場合、糖質を中心とした栄養を摂る事になります。
糖質は体にとって重要なエネルギー源です。
しかし、糖質を直接摂らなくても、生体恒常性が効果的に働き、
これが糖質制限が有効な最大の理由です。
【ケトン体】
ざっくり言うと、『カラダのエネルギー源』です。
カラダを動かす上で重要な役割を果たします。
ちなみに、その『エネルギー源』は3つあります。
・ブドウ糖
・脂肪酸
・ケトン体
それぞれ、筋肉、脳、血液や臓器などを全身の細胞を動かす原動力となります。
この『ケトン体』なぜ注目を浴びているのでしょうか?
エネルギー源は3つありますし。。
注目されているのには、大きく2つの理由があります。
・ブドウ糖は、インスリンを分泌する事で、脂肪を蓄積する効果がある
・ケトン体は、脂肪をエネルギーとするため、脂肪燃焼効果がある
つまり、炭水化物中心の食事では、インスリンが分泌し、太りやすくなります。
一方、糖質制限によるケトン体をエネルギー源とする体質にすると、脂肪をエネルギーとし、痩せやすくなります。
ケトン体に関する詳しいダイエット法は、別記事にまとめていますので、
そちらをご覧いただければと思います。
【糖新生】
ざっくり言うと、『食事で糖質を摂らない時に、体内で糖質をつくること』です。
実は糖質を摂らなくても、体内で糖質を作る事ができます。
そもそも、『糖質』は体にとって重要なのでしょうか?
エネルギー源は、糖質以外にも、ありますよね?
実は、『糖質』は、とっても大事なんです。
糖質制限ダイエットを反対する人がいるのは、このためです。
では、何故重要なのでしょうか?
それは、『脳』や『赤血球』は、糖質からでしか、エネルギーとする事ができないからです。
脳はもちろん、人間にとって重要ですし、
赤血球も、酸素を全身に運ぶ役割がありますので、こちらも重要になります。
このことから、『糖質制限』は危険とされています。
しかしながら、『糖質制限』が安全である理由が、次の2つです。
・脳の70%は、実は『ケトン体』をエネルギー源とする事がわかった
・『糖新生』により、体内で糖を作り出す事ができる
つまり、脳のほとんどは、先ほどご紹介したケトン体をエネルギー源とする事ができるうえ、
糖質制限をしても、『糖新生』というシステムで、体内で糖質をつくる事が可能です。
【糖質代謝と脂質代謝】
ざっくり言うと、『糖と脂質、どっちをエネルギー源としてるの?』という事です。
このことを理解しなければいけない理由があります。
特に、『糖質制限』が成功しない、もしくは体調を崩してしまった人です。
人には体質があります。化粧品でも、肌に合う、合わないは十人十色ですよね?
糖質制限に失敗する理由は、脂質代謝が苦手、つまり、体内で起こる生化学反応はうまく機能していません。
そのため、糖質代謝と脂質代謝、具体的に体の中でどのような事が行われているのか?
何故?あなた自身が失敗したのか?が見えてくるはずです。
糖質代謝は、『シュガーバーニング』、
脂質代謝は、『ファットバーニング』と呼ばれたりもします。
詳しい記事は、別でまとめていますので、よろしければそちらをご覧ください。
【インスリンとグルカゴン】
ざっくり言うと、『血糖値の増減をコントロールするホルモン』です。
ですので、血糖値にかかわる、糖質制限では欠かせないキーワードとなります。
血糖値を下げるのが、『インスリン』
血糖値を上げるのが、『グルカゴン』です。
インスリンやグルカゴンは1日を通じて分泌されており、食間や夜間は2つのホルモンのバランスにより血糖値は一定範囲内に保たれています。食事によりグルコースが体に取り込まれると、血糖値は上昇しますが、インスリンの分泌量が増え、血糖値は速やかに元の状態に戻ります。
これはつまり、『生体恒常性』になります。
実はこの『インスリン』は、脂肪合成を促進する効果もあります。
つまり、体脂肪を溜め込んでしまい、太りやすくなるのです。
糖分を摂りすぎると、太ると言われているのはこのためです。
つまり糖質制限とは、体内で起こる『生体恒常性』を理解し、
自分の体にあった方法を探していくことが大切な方法です。
ダイエットの本質は、『ホルモン』と『自律神経』と言われているのは、このためです。
以上、『糖質制限』に関わる重要用語を5つ厳選し、紹介しました。
皆さんの参考になりましたら幸いです。