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【「繊細さん」の本】他の本で救われなかった人はこの本を手にとってみよう

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

細かい事が気になり、心と頭が疲れやすい。
僕も割とそんな人間だ。

他人の機嫌に敏感で、気にしながら仕事をして、少しのことが気になり出して、仕事が遅くなり、結果自分の許容量を越えるような仕事を引き受けてしまい、誰にも相談できず、仕事を休んでしまった経験もある。

今では立ち直って、仕事も割と順調にいっているが、この本に当時出会っていたら、無理せず仕事を休むこともなかったのではないだろうか?と思ってしまった。

自分は細かいことは気にしない人間だ!他人の目なんて気にしない!という人はこの本を手に取らなくてもいいだろう。
傷つきやすく、落ち込みやすい、気疲ればかりしてしまう、そんな人のために幸せになるための処世術がこの本の本題だ。

〜「繊細さん」とは?〜

まず、この本について書くにあたり、HSPというものについて説明する必要がある。

Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、刺激に対して非常に敏感で、繊細な気質をもって生まれた人の事である。心理学者のエレイン・アーロン博士によって提唱された概念だ。

本書で語られる「繊細さん」とは主にこのHSPの人の事を指す。
五感が敏感で、些細な音や匂いに敏感なだけでなく、普通の人が気づかないような環境の変化や雰囲気、空気を"感じ取ってしまう"。
五感だけでなく、人がどのように感じているのか、どのように自分のことを思っているのかなど、対人においてもその敏感な感性は働いてしまう。
日常生活の中であらゆる変化や刺激に敏感な繊細さんは、それらが気になって仕方なくなってしまい、結果、自分よりも周りを気にして心や頭を疲弊させてしまう。

そんな人だ。

そして、著者によるとそんな「繊細さん」は社会全体で5人に1人の割合で存在するそうだ。

この割合をどこまで信じるかは人それぞれだが、もしこれが本当ならば自分が「繊細さん」である確率も否定は出来ないだろう。


〜「繊細さん」の生き方〜

さて、本書の結論を先に言ってしまうと、「繊細さん」が幸せに生きるためには「自分の事を考えて自分の本音で生きる」事が重要なのである。

「繊細さん」は周りを気にしすぎて自分のことを我慢してしまう傾向がある。しかし、そうではなく、自分のために自分を優先し自分を大切にすること、この考え方が必要なのだ。

だからと言って、著者は「鈍感になれ」と言っているわけではない。
むしろ、「繊細さん」の敏感な感性は大事にしてほしい、と述べている。
あらゆる事に敏感なのは、決して悪いことだけではない。誰も気づかない事に気づくというのは、仕事においてもリスクを避ける能力が高いという事だし、芸術に対しても深く感動することが出来る。他人のピンチにもいち早く気づいてあげられるし、日常の小さな出来事にも幸せを感じる事が出来る。

本書に書かれている事は「気づいてしまったものはしょうがない。自分にとって不利になるようなものをうまくスルーしてしまおう!」という具体的な方法がほとんどだ。
自分の感性は個性ととらえ、そんな自分を行動の中でどのようにコントロールしていくか。これが「繊細さん」がうまく生きるための秘訣なのである。

〜他の自己啓発本とは一線を画す〜

今まで人間関係やストレスに対して悩み、本に助けを求めた事がある人もいるだろう。
しかし、多くの本には「他人の目なんて気にするな!」「自分の信じた道を進め!」というような表現ばかりで、「いや、それが出来れば苦労しないんだよ…」と思った人も多いと思う。

そんなあなたは「繊細さん」なのかもしれない。

もしかすると、この本があらゆる悩みを解決してくれるかもしれない。
優しい心を持ってしまったが故に、社会の中で辛い思いをしている「繊細さん」は、この本を試しに読んでみてはいかがだろう。
救いはこの本にあるかもしれない。

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