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【頭に来てもアホとは戦うな!】この本に救いはあまり無かった
オススメ度(最大☆5つ)
☆☆
残念なことに、うちの職場にも"アホ"がいる。
その人は残念なことに上司で、残念なことにやたらと話しかけられて、残念なことに一言一言にイライラさせられてしまう。
そんな"アホ"の対処法のヒントはないかと、この本を手にしたが、正直なところ個人的にはあまり役に立ちそうもない本だった。
〜"アホ"とは〜
この本で想定される"アホとは、
わざわざ戦ったり悩んだりする価値のない人間である。そして、不条理な人間である。あなたにとって一見、目障りで邪魔である。時として正当な理由もなくあなたの足を引っ張ってくる当たり屋でもある。あなたに体当たりして自分の価値をあげようとする人間だ。
ということらしい。
いわば、自分にとって日常生活において無視したい人間である。
僕は関わりたくない人間はハナから相手にしておらず、そういう意味では"アホ"と戦うことなど考えていない。
〜この本が想定している以上のアホがいる〜
さて、じゃあ僕がどんなアホに悩んでいるのか、というと、
仕事上話をしなければいけない人間なのだが、そいつは根っからの性悪で性格が悪く、普通の会話の中でも馬鹿にしたニュアンスで話をしてくる、
そんなやつなのだ。
本書の内容の一部として、
自分が達成したい目的のために、そのキーマンとなる相手を論破し打ち負かすのではなく、合気道のようにうまくそいつの力を利用してしまえばいい。
という記述がある。
うん、そりゃそうなんだ。
もちろん、それが出来れば1番素晴らしい。
しかし、僕が頭を悩ますアホは、人を馬鹿にするのを生きがいにしているような人間で、そもそも話にならない人間なのだ。
この本で書かれているような、権力闘争のために姑息な手を使う、だとか、権力に取り入るのがうまい、だとか、そんなインテリジェンスなアホは身近にいない。
この著者はかなりのエリートコースを歩んできている方のようなので、"アホ"と言っても、実際のところ、この人の周りにいた"アホ"は「性格の悪いキレもの」だったりするのだろう。
しかし、平凡な僕が頭を悩ませているのは、話にならない本当の"アホ"なのである。
この本を読んでいる間、著者の想定している"アホ"と僕が頭を悩ませる"アホ"に大きな乖離があるような気がしてならなかった。
そういう意味では、この本の内容がイマイチスッと感覚として受け入れられなかったところが多々あった。
〜結局は自分のメンタルが重要〜
結局は、この本の主題は、アホに振り回されず、世の中は不条理なものと理解して、自分を見つめ自分と向き合う事が重要である、という事なのである、が、
申し訳ないが、自己啓発本でよくありがちな、
「いや、言ってることは正しいんだけど、それが出来れば苦労しないんだよ」
という思いになってしまう。
結局のところ、自身のメンタルを鍛える事がより良い人生を送るためには不可欠なのだ。そして、そんな事は、ほとんどの人がわかっている事だと、僕は思う。
正直この本から得られるものはあまり無いだろうと僕は思った。
この本を読む時間があるなら、瞑想でもしていた方が気分が楽になると思う。