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詩20230626-

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詩 20230626-
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#恋愛

詩:海のにおい

詩:海のにおい

〈海のにおいがする〉
男は女にそう言った

〈そう?〉

あたたかな乳房に
ゆっくり顔をうずめながら
〈君はやっぱり
海とつながっているんだね〉
男は女にそう言った

〈あなたもそうよ
男だって
母親の海のなかから
生まれたのだから〉

〈そう?〉

〈そうよ〉

やさしく乳房を撫でながら
〈でもやっぱり
君からは
海のにおいがする〉
男は女にそう言った

詩:水筒

詩:水筒

汗をぬぐいさりひたすら歩く
水筒にたくさん入れた氷がガラガラと音を立てる
君はとなりにいないがとなりにいることを想像して歩く
君が言う
〈わたしにも水筒わけてちょうだい〉
君に水筒を渡す
君は水筒を吸う
その口元に飲んでいる水がじんわりと滲んでいる
水で潤う美しい口元にぼくはたまらなくなり
ぼくは水筒をとって君に力強く口づけする

汗をぬぐいさりひたすら歩く

詩:捨て切れない

詩:捨て切れない

別れたあの人を想う

捨て切れず想う

想い出からあの人を切ることはできない

切りたくてもね

未練がましいと言われようが

切ったところで何になるんだろう

時が戻るわけでもなし

想い出の中にあの人がまだいる

これの何が悪い

詩:奪われた唇

詩:奪われた唇

奪った唇を
返してよ
君からの
あの強い
口づけ

私は誰のものでもない
君のものでもない
君は愛を押し付けるけど
私は君を愛してはいない
だから

奪った唇を
返してよ
君からの
あの強い
口づけ

不意に奪われた唇
奪って喜ぶ君
君は愛を押し与えるけど
私は君を愛してなどいない
だから

奪った唇を
返してよ
君からの
あの強い
口づけ

PJさんに歌にしてもらいました❗️

こちらYoutu

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詩:愛と時間

詩:愛と時間

愛しあっていた時間は

また来るものじゃないと思っていた

いっしょにいた時間は

もう戻らないと思っていた

抱きしめた時間は

戻しようがないと思っていた

けれど時々

君のことを思い出してしまう

君とまだ近くにいるみたいな……

君は今どうしているのか

君は今ぼくをどう思っているのか

君とぼくは思い出の中でいっしょにいる

そう それは

時間なんて関係ないんだ

過ぎ去っていく時間

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詩:こっちをむいて

詩:こっちをむいて

ねえ君こっちをむいて

愛しき君よ

照れくさいかな

でも

ふりむいてくれれば

ぼくはとってもうれしいんだ

だから愛しき君よ

お願いだから

こっちをむいて

詩:君と……。

詩:君と……。

君ともっと話したい

君をもっと抱きしめたい

君をもっと深く知りたい

君ともっと一緒にいたい

こう思うのは

贅沢ですか?

詩:悲しき現実→やさしさへ

詩:悲しき現実→やさしさへ

世の中すべてやさしさとか愛ではできていない

あさましい

ずるい

卑しい

残酷

私もそう

でも

そんな人間のやさしさにふれたいから

人は生きていく