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詩20230626-

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詩 20230626-
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詩:小言

詩:小言

落ち着きのない子と言われ育ってきた
人の目を見る子だと言われ育ってきた
ぶきっちょな子だと言われ育ってきた

今でもそう変わりはない
むしろいろいろと言われることが増えた

そのなかでわたしはどこへむかう?

詩:言語を忘れる時

詩:言語を忘れる時

本や映画にほんとうに夢中になっている時
詩は生まれてこない
言葉が出てこない
頭が本と映画でいっぱいになって
ぼくは言語というものを忘れる
表現に圧倒されるのだ
そしていずれ
自分も表現をしたくなる

詩:オドるように書け

詩:オドるように書け

オドるように書け
流れゆくままに
何に糞食らえと思ってるか
何を美しいと思ってるか
何に笑うか
酒を呑んで
音楽とともに
唄いオドリ出す
そこに優越はない

詩:ほくろ

詩:ほくろ

そんなところにほくろがあるんだね君は

男はほくろにキスをしようとした

いやよ変態
いいじゃないか減るもんでもなし
いやよ
いいじゃないかなくなるものでもなし
……あなたあたしのことどれだけ好き?
めちゃくちゃ好きだ
それじゃあいやよ
大大大好きだ
……
わかったほくろにキスしたいぐらい好きだ
まったく……いいわキスしても

男はほくろにキスをした

ほくろが消えた

詩:走って撃って止めて

詩:走って撃って止めて

走る
走る
走る
夜の闇を走る
機関車のように走る

走る
走る
走る
鉄橋まで走って
鉄橋から飛び降り
機関車の屋根に

走る
走る
走る
機関車の屋根を走る
手には拳銃
運転席からわらわらとマフィアたち

走る
走る
走る
弾丸の雨をくぐり抜け走る
銃を撃ちマフィアたちを倒しながら

走る
走る
走る
運転席まで辿り着き
ブレーキをかける
機関車の走りが止まる

詩:おたまじゃくし

詩:おたまじゃくし

夢の中でおたまじゃくしが宇宙を泳ぐ

男はおたまじゃくしを愛でていた
女はおたまじゃくしはもう勘弁という顔をしていた
女のそばで蛙が卵を産んでいた
女はそれをじっと見つめていた
蛙の卵がどんどん長くなっていく
しばらくすると女はときめきの動悸を抑えられなくなった
女は男におたまじゃくしをねだった

しかし男はおたまじゃくしをただただ愛でていた

詩:次の日があるさ

詩:次の日があるさ

今日をしくじっても
次の日があるさ
一日がどんなにダメでも
次の日があるさ

眠って起きれば
次の日がくるさ
起きてやる気が出なくても
次の日がくるさ
ぼんやり一日を過ごしても
次の日がくるさ

どうせ次の日がくるなら
元気にいこうじゃん
どうせ次の日がくるなら
ハッピーにやろうじゃん

次の日があるさ

詩:吹いてはやんで

詩:吹いてはやんで

風がやむ
恋も終わる
街が静かになる

風が吹く
恋がはじまる
街が騒がしくなる

風が吹いてはやんで
吹いてはやんで

詩:雨と嘘吐き

詩:雨と嘘吐き

ある雨の昼下がり
手紙を書いた

前略
こちらは雨です
そちらも雨ですか

そこまで書いて
つづきを悩んだ

書けることといったら
自分の不運ばかり

だから自分に起きてほしい
いいことを書き並べた

雨が激しくなった
まるで嘘吐きの自分を責めるかのように

詩:個人的な詩

詩:個人的な詩

その人からの手紙には一言
ガンバレ!
とだけあった
だから私は今までガンバり続けられたのかもしれない

詩:風街スケッチ

詩:風街スケッチ

路面電車に乗って街をぶらぶら
ぼくらは電車をなんとなく降りて
なんとなく手を結んで開いて
なんとなく線路をグラグラ歩くよ

風がぼくらの手と手をつないでいた
あやとりの紐を
吹き飛ばす
紐は風に乗って
とおくとおくに消えていくのさ

路線バスに乗って街をぶらぶら
ぼくらはバスをなんとなく降りて
なんとなく足を大きく開いて
なんとなく道路をべったり歩くよ

風がぼくらをつないでいた
電車ごっこの紐を

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詩:君の胸に抱かれて

詩:君の胸に抱かれて

君の胸に抱かれて
百億の星々をまたぐよ
君に抱かれていると
どこまでも行けそうな気がしてくる
君の胸に手をあてると
どこにいても帰っていけそうな気がしてくる
君の胸の鼓動はあたたかで
ぼくはその音を聞きながら永遠に走り出す

君はこう言った
〈私の鼓動は
生きている証〉
〈私の鼓動は
星海の音〉
〈私の鼓動は
あなたへの愛〉

君の胸に抱かれて
百億の星々をまたぐよ
君に抱かれていると
どこまでも

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詩:絶望の先にはリビングストーンデイジーが咲いていた

詩:絶望の先にはリビングストーンデイジーが咲いていた

男は死に損なった体をズリズリと這わせ
ボロボロの震えた手でリビングストーンデイジーに触れようとした
しかし男は触れるのをやめた
リビングストーンデイジーを喰ってしまいそうになったから
この花にはいつまでも咲いていてほしかった
美しい花を汚い口に入れてしまうのは恥ずかしかった

(残酷だと思わないかね)
(花にとっても私にとってもです)

絶望の先にはリビングストーンデイジーが咲いていた