読書感想文㉒
今回の感想文は、佐俣アンリさんの『僕は君の「熱」に投資しよう』について書きます。
この本の感想を一言で表すなら、、、「熱い!」
本を読んでいて、心の中かぐわーっと熱くなる感覚は久しぶりでした。
挑戦、てっぺん、成功、といった単語は暑苦しいと思う人もいるかもしれませんが、個人的には暑苦しいぐらいが大好きなのでとても楽しく読むことができました。
この本は、ベンチャーキャピタリストの佐俣アンリさんが、これまでに起業家に向けて話していたことをDAY1〜7の7日間をかけて一対一で教えてくれる特別講義という内容です。
この感想文は、各DAYで学んだことを書き出し、本を読んで触発された自分の気持ちも書き出すことで、自分の心の奥にある熱に気づくことを目的としています。
DAY1.熱があるなら、ぶつけようぜ
起業とは、夢を「見続ける」生き方
起業というのはもはや職業ではない。終わらない夢をみっせてくれる生き方なんだ。
佐俣さんは、「起業はコスパがいい」と言います。起業は熱だけ持っていればできる上に、ローリスク・ハイリターンなのです。失敗しても熱と若かりし日々の日々の一部を失うだけなのに対し、成功すれば巨万の富や、社会的地位はもちろん、この世界を動かす力を手に入れることすらできるかもしれません。
事業とは、だれでも思いつくことを「100倍の規模」でやること
ゼロの起業家が着想したアイデアなんて、よほど優れていない限り全部ゴミみたいなものである。
規模を変えてこそ、わかることがあるんだ。
規模が「バカ」を起業家にするんだ。
これに対して、失敗しがちな起業家は、「クオリティを担保するために、まずは小さく始めてみる」そうです。
最近は、「起業したい」というチャレンジングな気持ちに加えて、ビジネスの世界を知れば知るほど、臆する気持ちもありました。
そんな中「全部ゴミみたいなもの」「起業化全員、最初はしょぼい」という文を見たことで、当たり前だけど忘れかけていたことに気付くことができました。「最初からできるやつなんていない」と。
DAY2.生きる場所を、選び間違えるな
成功の9割は「場所」で決まる。
クリリン効果…常にクラスや学校のトップ集団に自分の身を置いて、その中で「平均点を取る」こと。クリリンは宇宙最強を目指す異常な集団であるZ戦士という環境にいたからこそ、人類最強の戦士になった。
佐俣さんは、起業家にとって「正しい場所」を勝手に自分を成長させてくれる場所と定義しています。
この本に載っていた面白い話を引用します。
「人間というのは、イメージできないものになることはできない」
政治家の子供にとってっ政治家になるのは、特別なことじゃない。人生で一番身近にいる存在が政治家なんだから自分が政治家になることをイメージしやすい。彼らにとっては政治家になることは人生における普通の選択になり、言ってみれば惰性でもなれるものになる。平凡の代名詞であるサラリーマンになることが非常に難しい。
まさに環境の大切さ、影響の大きさを表していると思います。
環境に反して自分の意志を貫くことは難しいですが、自分にとって最高の環境に飛び込むことは一瞬の勇気さえあれば可能です。
迷っているオンラインサロン、なかなか入会していないジム、無縁だった友達の輪、など人それぞれ入りたいけど…という環境はあると思います。
環境に入る→そこで平均点を取るだけでクリリン効果を得ることができるのです。思い切って飛び込んでみてはいかかでしょうか。
DAY3.成長しなければ、死ぬ
起業家は、事業によってのみ成長する。
事業が成長するにつれて、起業家の前には経営者といて考え、決断を下さなければいけないイベントが次々と現れる。それらのイベントをひとつずつこなしていくことで、起業家は経営者としてのスキルとマインドを成長させていく。
成長する事業が優れた人格をつくる。その逆はない。
☝の言葉も挑戦を推奨するものだと思います。
「一度就職してある程度勉強してから…」、「MBAを取得してから…」という挑戦を先延ばしにする思考、行動なんて必要ない、起業して事業が成長すればその都度必要なスキルやマインドを身に着けることができるという事を学びました。
以前何かの本で読んだ「いつか使うだろうから今のうちに勉強しておこうという勉強はしなくていい」という部分に似ています。
余計な勉強で地団駄踏むぐらいなら、飛び込んでみましょう。
起業家は、天才でも「打率3割」
初志貫徹の美学、「1分の1の成功」に囚われるな。
「イチローにだってさえない試合はある」と割り切って、停滞する事業に見切りをつけ、次の事業に進むための行動を起こす、次の打席に立て。
DAY4.君は、人類の年表に触れたくはないか?
直感というと非科学的で言語化するのを放棄しているだけだと思われがちだが、言葉も直感も、基本的には脳の思考だ。
直感は、言語化が追い付いていないだけで、自分の中の経験則とロジックから脳が計算して弾き出した、思考のひとつの解であることに変わりはないだろう。
佐俣さんは出会って最初の2分間の印象から投資をするかどうか決めてしまうことがあるそうです。
僕もマーク式のテストなどでは、直感を信じて回答することが多いので大いに共感することができました。
ただ、自分が悪い点を取るかもしれない学生という立場ではなく、他人のお金を預かって運用するベンチャーキャピタリストという立場で直感に素直に従うことができることはすごいと思います。
独断と偏見で投資を行うことに対してファンドの出資者から合意を得ているというところに佐俣さんのベンチャーキャピタリストとしての魅力、信頼が見て取れます。
DAY5.怖いけど、僕は「逃げない」
成功とは、「挑戦し続ける」ことなんだ。
どんなにつらい状況に陥っても、もしくは、どんなにもはやあえて挑戦する必要もないような状況になっても、再び足を踏み出し、前を向いて、新たな挑戦を始めること。
この本全体を通して言えることですが、佐俣さんが実際に投資したベンチャー企業が度々登場します。このDAYには、「ニートにもなれない」ような男から数々の事業を成功させるまでに成長した中川綾太郎さんが登場しています。
実際に、起きたことをただ美化するのではなく、ベンチャーキャピタリストとしてともに歩む中で見えてきた、マイナス面やうまくいかなかったことを包み隠さず書かれているような印象を受けました。
だからこそ、成功者と言われる人に天才なんていない、圧倒的な仕事量をこなしているだけだという現実をまじまじと見せつけられます。「あの人は天才だから…」「生まれ持った才能だから…」という言い訳はできなくなるので覚悟して下さい。
DAY6.こんにちは先生、起業しませんか?
社長候補は愛こそすべて
愛とは、言い換えると、自発的に技術のことを調べて経営判断をしていく素質があるかどうかである。
愛は自発性、明確な行動に現れる。
愛と言われると抽象的な感じがしてイメージしにくいですが、愛は自発性や明確な行動に現れるということで一気に具体的になってイメージできました。
DAY7. 圧倒的な未来を、つくろう
挑戦は歯を食いしばってひとりで孤独に努力することではない、挑戦なんて、みんなで、笑いながらやるもんだ。
これからの挑戦にヒロイックなストーリー、動機、使命感、気負いは不要だ。
すこし前に成功者と言われていた人の中には、「辛さ」から挑戦を始めた人がたくさんいたと思いますが、最近は少なくなっています。
Facebookのザッカーバーグなんて秀才、お金持ち、良い奴、と傍から見て負なんて見つかりません。
キャプテン翼にこんなシーンがあったな…
翼くん率いる日本代表は、世界大会に出場します。
戦う国の中には、科学トレーニングなど比較的恵まれた環境で育ったスウェーデン代表、貧しい環境から這い上がってきたメキシコ代表やブラジル代表などがいます。
エスパダス率いるメキシコ代表は、恵まれている日本代表とは対照的に描かれています。
幼い頃、日本から中古のボール(実際にはピカピカのボールで、環境の差が強調されている)を寄付されるシーンも描かれています。
世界大会で優勝したのは「辛さ」由来の強さで戦うメキシコ代表、ブラジル代表ではなく、純粋にサッカーを楽しんでいた翼くん率いる日本代表でした。
日本の漫画だから日本が優勝することは当たり前かもしれませんが、キャプテン翼を通して、楽しむことの強さを学びました。
日本では、「比較的恵まれている環境にいるからハングリー精神を持てない」なんてことも言われていますが、「ハングリー精神なんていらないよ」という答えが見つかって心が軽くなりました。
熱い本すぎて、感想文も長くなってしまいましたが、読んでいただきありがとうございました。
熱く挑戦しよう