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迎えた教師3年目。特別な一年になる予感が中島にはあった。初めての進路指導、卒業生、そし…
問題行動は指導のチャンス。 いつの日かの初任者研修で言われた言葉だ。右も左もわからぬ…
「進級おめでとう。今日から皆さんの担任になります、中島です…」 途中で、挨拶をやめた。…
採用試験に合格したときから、中島は美咲との結婚をより意識するようになった。そして今、初…
本編目次 第1話 ブラックなんでしょ 中島がソフトボール部副顧問として着任した当時、N…
体育館の床は、無数の生徒の頭でびっしりと埋められ、まるで黒い絨毯で覆われているかのよう…
本編目次 第1話 ブラックなんでしょ 「1年生の担任をお願いします」 「…はい、わかりました」 担任。俺が。 幼い頃から教師を夢みた遠藤だが、今まで自分が教壇に立つ姿を想像できないでいた。わずか3週間の教育実習ではなく、毎日児童生徒と向き合う責任ある教師としての俺。 採用試験に合格したとき、着任先を知ったとき、この中学校の桜を見たとき。その度に教師として歩み始める意識を強くした。しかし、その具体的なイメージを頭に描けてはいなかった。 それが今、担任、さら
本編目次 第1話 ブラックなんでしょ 遠藤はすぐに、読めば読むほど不安に苛ま…
本編目次 第1話 ブラックなんでしょ 4月1日、出勤初日の午後、校長室に呼ばれた遠藤は…
本編目次 第1話 ブラックなんでしょ 「中島先生は生徒も知ってるくらいいつも定時退勤な…
本編目次 第1話 ブラックなんでしょ 「最たる例は部活動だね。始まった時はベストな仕組…
本編目次 第1話 ブラックなんでしょ いつもどおり朝5時に、遠藤は目覚めた。…
本編目次 第1話 ブラックなんでしょ 「実は、部活が辛くて、減らしたいんです。…
本編目次 第1話 ブラックなんでしょ 朝の職員玄関で挨拶を交わした遠藤と中島の横を、男子生徒が通りかかった。にこやかに中島に話しかける。 「あ、中島先生、おはようございます。今日も定時出勤ですね?」 「おう、おはよう。そうだよ。尊敬しろ」 「おー、さすが」 遠藤は知らない生徒だったが、持っていたラケットケースから、中島が受け持つバドミントン部員だと察せられた。 「今のはバド部ですか」 「そう。彼は3年の部長」 部員と中島が気さくに話す様に、