[note27]前期の終わりに向けて、振り返り①公共とICT
今年度からスタートした新科目「公共」ですが、基本的な学習事項は、それまでの現代社会を踏襲したものと捉えています。教科書を見ても大きく変わったな…という印象はありません。ただし、学びのアプローチや学びの観点は大きく変わったと言えます。公民科の色々な先生方が試行錯誤していると思います。私は『そもそも「公共」とは一体何なのか?』にこだわって前期の授業を展開してきました。色々な定義ができそうですが、授業プランや授業プリントで常に意識したことは以下の2点です。
現在、私たちが直面している事象を必ずテーマとして設定すること
教室を公共的空間と捉えて、生徒たちが自分の意見を表明したり、友達の意見を認識する機会をできる限り、作ること
まずテーマ設定に苦労しました。何が「公共」を考える上で相応しく、生徒が自分ごととして捉えることができるものになるか。そして、意見の表明や共有は積極的にICTツールを活用しました。幸いにも勤務校は全員がiPadを所持しているため、環境は整っていたと言えます。授業におけるICTの活用については、自分なりのポイントを生徒たちに伝えています。ここも2点。
毎回ちょこっとICT。とにかく授業展開に合致しそうなアプリケーションやツールを自分ができる範囲で使い分けて、色々と体験しながら学ぶ。ICTの先駆者ともいえる先生方の取り組みはヒントにしつつ、あくまでも自分ができる力量で取り組むことが肝心だと思っています。
アナログ×デジタル=最強!!世の中はデジタル中心に動いていますが、アナログがなくなるわけではありません。それぞれにメリット、デメリットがあります。だからこそデジタルもアナログも使えるのが一番!そんな話もしています。
前期はGoogleのツール(ドキュメント、スプレッドシート、スライド、Jamboard)やクイズアプリのKahootなどを活用しました。
Googleドキュメント→ニュース記事に対して、みんながTwitterで呟くようにコメントを書いていく
Googleスプレッドシート→こちらの問いに対して、同時進行で自分の意見を書いていく。その際に友達の意見を参照することも推奨した。
Googleスライド→「自己実現を果たしていると感じる人」をテーマに画像とテキストで簡単な1枚スライドを作成する
Google Jamboard→複数のテーマについて、自由に意見を書く練習。付箋感覚で使え、自分の名前が出る訳ではないので意見表明のハードルが低い
Kahoot→授業内容に関する導入の問いや試験前に簡単なまとめとして活用した。クイズ感覚で使えて、授業のアクセントに良いし、盛り上がる。
といった感じで、まだまだとは言え、色々なツールを使ってみました。仮の生徒アカウントをGoogle classroomの生徒メンバーに入れて、教師サイドと生徒サイドの両方からテストしたことで大きなトラブルはなかったように思います。とにかく意見を書く、人の意見を見る、アプリケーションやツールを楽しむといった点に注力した3か月でした。少し早いですが、夏休みにもう少し研究して、より良い手段としてICTを活用できるようにしたいなと思っているところです。