血が出れば
血が出ればいいのに
涙が溢れて止まらなければ
頬がこけて骸骨みたいになれば
親切な人に見つけてもらえるのに
誰もが優しい笑顔をくれる
暖かく声をかけてくれる
そんな夢の様な世界に
憧れて性懲りもなく
住む家があるから
杖をついてないから
管に繋がれてないから
親切な人でも気付かない
興味なんて持って貰えないし
肯定すらされないままだと
人は全てに意味を見失う
自分だけが変なのだと
思い上がってしまう
血が出ればいいのになんて
俗な承認欲求に過ぎない
血が出てるんですと
素直に言えばいい
考えだけは浮かんでも
どうしても声に出せない
また心の中で呟いてしまう
いっそ血が出ればいいのに
血が出ればいいのに
血が出れば…