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MBAマーケティングの50冊を1冊にまとめてみた②:USJ再建の立役者、森岡毅さんの数学マーケティングとは?
読書ノート(97日目)
さて、本日も
こちらの本から紹介です。
本書の大きな章は以下の6つ
①戦略
②ブランドと価格
③サービス・マーケティング
④マーケティング・コミュニケーション
⑤チャネルと販売
⑥市場と顧客
今日はUSJをV字回復させた
森岡毅さん・今西聖貴さんの
著書を紹介してみます。
「確率思考の戦略論」森岡毅、今西聖貴
・ビジネスの成否は確率で決まる。
そして、その確率はある程度は操作できる。
・消費者のプレファランスを高めて、消費者ビジネスを制覇する
・市場構造の本質はプレファランス、
人がブランドを選ぶときなどの好みのこと
・カテゴリー別にプレファランスがあり、
その確率の組合せがエボークト・セット
例:ビールの場合、モルツが5割、一番搾りが4割、
スーパードライが1割の比率になっている等
・エボークト・セットは過去の購買経験によって
消費者の脳内に無意識のうちに作られて、消費者はこの中から買う
商品を、まるでガチャを引くようにランダムに選ぶ
・全消費者がガチャをした結果の集計がシェアであり、
市場のプレファレンスの平均値
・経営資源を集中すべきは、消費者のプレファランスの向上
・プレファレンスを決める3つの要素
①ブランド・エクイティ
ブランドが持つ見えない資産で
プレファランスを支配する最も重要な要素
例:東京ディズニーリゾートは「夢と魔法の王国」という
圧倒的に強いブランド・エクイティがある
②製品パフォーマンス
機能重視型の商品や問題解決型の商品は、
製品パフォーマンスが高いとプレファランスが高まる
消費者は失敗したくないので一度信頼したブランドは
他ブランドにスイッチしない。
違いが分かりにくいカテゴリーの製品(例としてミネラルウォーター)
の場合は、ブランド・エクイティ強化の方がプレファランスが高まる
③価格
価格を上げると短期的にプレファランスは下がるが、
消費者を継続的に喜ばすための原資を得るには
価格を上げる必要があるので、中長期的には価格アップが正しい
・戦略の本質は「プレファランスを上げ、買いやすくすること」
・成熟した消費者向け市場では、経営資源の配分先は次の3つ
①自社ブランドのプレファランス
市場で自社ブランドのプレファランスを増やすには、
より多くの顧客を開拓すること。ここで重要なのは、
顧客ターゲッティングの際に、競合と差別化しようとするあまり
顧客のプレファランスを狭めないこと。
目的はあくまで、市場のプレファランスの増加
例:以前のUSJのポジショニングは「映画のテーマパーク」で
ファン層は大人の独身女性層に集中していた。
その後「世界最高のエンターテイメントを集めた
セレクトショップ」にポジショニングを変更
②認知
何%の消費者が商品を知っているかが認知。
認知の質も重要で「ダイソン」の商品名しか知らないより、
「吸引力が変わらないただ一つの掃除機」と知っている人の方が
商品を買う
③配荷
消費者の何%が商品を買おうと思えば買えるかが、配荷。
具体的には店頭で買える状態にすること
・消費者の購買フロー(洗剤の購入者の場合)
購入者の割合=認知率×配荷率×過去の購入率
×エボークト・セットに入れる率×1年間の購入率
・マーケティングを機能されるには「組織」が必要
マーケティングは個人技ではなく、組織づくりをしない限り機能しない
・USJでは社内横断で消費者視点を徹底させる組織に変え、
「つくったものを売る会社」から
「売れるものをつくる会社」に変革した
USJの変革を担った森岡毅さんは
多くの方もご存知かと思いますが、
マーケティングを数学として考える
という点が興味深く、
本書では数式も多数掲載されており
今さらながら数学を勉強し直そうかな
とさえ思わせてくれる、そんな本です。
本書の中で紹介されている
売上を決める7つの基本的要素
もありましたので、合わせて紹介です。
![](https://assets.st-note.com/img/1677501906682-5F6QJu99oe.png?width=1200)
本書の中で一貫していることは
「コントロールできる事に
経営資源を集中すべし」
ということなのかなと感じました。
なので、上の表の7つの要素ならば
・認知率
・配荷率
・過去の購入率
・エボークト・セットに入れる率
・平均購入金額
をコントロールして売上を最大化させる
ということなのでしょう。
数学マーケティングは
まだ入口の考え方を知れたという程度で
実践で活用できるようにするには
実際に自分で手を動かして
需要予測をしてみる必要がありそうです。
データ分析も確率をよく使うので
今回の学びがどこかで役立つ時が
来るかもしれない…
と、そんなことを感じています。
それではまた―!😉