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BCGが読む経営の論点2024③:生成AIの2027年の市場規模の見込みは〇〇〇〇億ドル!?(※2023年は180億ドル)

読書ノート(153日目)
昨日に引き続き、今日も
こちらの本を紹介していきます。

もはや毎年恒例とも言える
「BCGの経営の論点」シリーズ
2024年版の注目テーマ(目次)は
以下の通りです。

・2024年に注目すべき大きな潮目の変化
第1章 エネルギーシフト:日本企業は”賢い需要家”を目指せ
第2章 生成AI:日本の”勝ち筋”と導入の5つのポイント
第3章 サーキュラーエコノミー:気候変動の次は生物多様性が問われる
第4章 経済安全保障とサプライチェーン:
 リスクの見える化で意思決定の仕組みづくりを

・競争優位を築くために必要な組織の能力
第5章 事業開発力:新たな成長に向けM&Aをどう活用するか
第6章 イノベーション:進化する手法と日本企業復活へのポイント
第7章 プライシング:インフレ時代の「値付け」戦略
第8章 人材戦略:「人事」を越えた経営課題へ発想の転換を

そして今日は
第2章 生成AI についてです。

第2章:生成AI:日本の”勝ち筋”と導入の5つのポイント
・生成AIの特徴は何といってもユーザーの裾野が広いこと
・情報の要約、旅行計画へのアドバイス、レポート作成の支援、
 SNSに公開するコンテンツの制作、プログラムの開発など
 老若男女が幅広い用途に利用し始めている
・生成AIの市場規模は2027年に1200億ドルの市場規模まで拡大する見込み
・これは2023年のノートパソコンの市場規模に匹敵する規模で、
 それすらを凌駕する可能性もある
・生成AIの市場規模の見込み
 2023年:180億ドル
 2024年:350億ドル
 2025年:610億ドル
 ※出所:AI TAM research : Statista
  専門家へのインタビューを基にBCGが分析

・特に金融業界とヘルスケア業界は高い成長性が見込まれている
・金融業界は、もともと電子取引で先行しホワイトカラーの業務が多いこと
・ヘルスケア業界は、製薬会社による創薬の研究開発で
 既にAIの適用が進んでいるため
・その他の業界も、情報処理やコミュニケーションを多く利用する業界を
 中心に導入が加速する見込み

・先行企業はどう取り組んでいるのか
・ダイナミックプライシング、マーケティング費用の最適化、
 需要予測などの数字を扱って計算する領域は従来型の
 機械学習ベースのAIが得意な分野
・一方で生成AIは、文書の生成、デザインの原案作成、
 自然言語によるコミュニケーション、シミュレーションなど、
 表現やユーザーインターフェースにおいて大幅な利便性の向上をもたらす
・ユーザーインターフェースでは生成AIを使い、
 裏では別のAIやルールベースのエンジンが動くという、
 特性の違いを踏まえて適切に使い分ける必要
がある
・AIでデータを分析し「どの顧客に、どのような商品を、
 どのようなタイミングで提案すればよいか」を営業担当者に示すことは
 従来も行われてきたが、生成AIに期待されるのは、
 顧客に提案する商品設計や訴求のためのトーク内容自体を提案すること
・複雑なメニューの中から顧客に最適な商品を導き出すことで、
 人間では気づかなかった商品提案の機会や顧客のニーズを捉えて、
 顧客満足度をさらに高められる可能性がある

・オンラインで食品宅配事業を行う米国インスタカートでは、
 顧客とのチャット機能に生成AIをいち早く導入
・従来のネットスーパーでは「閲覧する」「カートに入れる」「購入する」
 という行動までいかないと、顧客の嗜好に関する情報がつかめなかった
・生成AIを組み込むことにより、顧客が
 「子どもの健康に良いお昼ご飯のメニューは?」などと質問すると、
 レシピや食材の提案が示される。気に入った提案を選ぶと、商品が自動で
 カートに入り、購入から配送まで、一気通貫のサービスが提供される
・さらに、チャットでのやり取りから、
 「子どもがいる」「健康を気にしている」など、嗜好を含めた
 顧客情報をつかむことができる
・顧客が継続的に利用すれば、より多くのデータが蓄積され、
 パーソナライズの精度が高まり、潜在的なニーズをとらえた
 提案の余地が広がるなど、生成AIは購買プロセスや顧客体験を変える
 可能性を秘めている

・生成AIは人々の働き方を変える
・歴史を振り返ると、テクノロジーにより人の働き方は大きく変わってきた
・産業革命では機械化が一気に進み、
 インターネット革命でも仕事の進め方が一変した
・AIの場合も同じく、人々の役割や求められるスキルを変えていくだろう

・知的作業へのインパクト
・生成AIを用いて何を実現するのかというビジョンや目標を明確化したり、
 生成された成果物を点検して品質を担保したり、成果物から示唆を
 抽出し、意思決定や行動に繋げていくという業務が重視される
・それに伴い求められるスキル要件も変わり、
 特に戦略的思考、クリティカルシンキング、変化への適応力
 が一層重視されるようになる
・デジタル人材に要求されるスキルは、システム開発者や
 データサイエンティストなどのプログラミングスキルに加えて、
 生成AIアルゴリズムと手法の理解、基盤モデルのトレーニングと検証、
 生成AIモデルの微調整、サードパーティモデルの知識、
 プロンプトエンジニアリングなどが必須スキルとなるだろう
・ホワイトカラーの生産性向上だけではなく、たとえば工場で
 機械に指示を出すインターフェースでは生成AIを用いるが、
 裏でロボットが自動的に動くようになっていれば、
 ブルーカラーの仕事にも影響が及ぶ

・バリューチェーン全体で役割を見直し、どこまでテクノロジーを適用して
 自動化するかを検討することが非常に重要

・それによって、より付加価値の出せる業務プロセス、抜本的な
 顧客体験の刷新、ビジネスモデルの転換にまで発展する可能性がある
・それを徹底的に追及していった企業が頭一つ抜け出し、
 大きなインパクトを実現できるだろう

・企業が検討すべき5つのポイント
・企業が生成AIとうまくつきあうためには、
 「戦略」「学習/トライアル」「組織」「トラスト」「技術」
 という5つの観点で検討するとよい

・ポイント1:戦略を立てる
・まず考えるべきは、どこに適用すれば価値が出るか。
 どのユースケースで自社が差別化できるのか。
・自社のビジネスモデルはどう変わり、競争優位性の構築に
 どう活用できるかを時間軸を含めて構想する

・ポイント2:学習/トライアルを実施する
・新しいテクノロジーは実際に体験してみないと正しく理解はできない
・今あるものを早期に試し、適用可能性と適合性を評価し、自社に
 ノウハウを蓄積し、判断力を養ったほうが良く、AIに関するトライアル
 からの学習が組織的に集積され、活用の精度を高める好循環の構築がカギ

・ポイント3:統括組織をつくる
・新しいノウハウや知識に関わることなので、活用する情報を1カ所に
 集め、知見を集約し、ガバナンスを効かせるためにも、
 生成AIの統括組織をつくることがお勧め
・各部門で好き勝手に生成AIツールを試す放任スタイルでは、
 企業としてのノウハウが蓄積されない

・ポイント4:トラスト(信頼)を確立する
・AIを安全かつ適切に利用・運用するためには、従来の情報セキュリティの
 ガイドラインや仕組みだけでは不十分
・特に生成AIは法規制などにも注意を払う必要がある

・ポイント5:技術を見極める
・世界中のテクノロジー企業がさまざまなソリューションを生み出している
 なか、どれを選択するか、今すぐ始めるべきなのかなど、
 ベンダーロックイン(システムの開発や保守を特定のベンダーに依存
 していまい、他社製品への切り替えが難しくなること)は大丈夫かなど、
 技術面の検討項目は非常に多い
・基本的な考え方は、自社にとって重要な戦略領域に関しては
 積極的に投資し、それ以外については戦略的に外部を活用すること

・日本としての勝ち筋
・生成AIは日本企業の特性や産業の強みとの相性が良い
・生成AIは、曖昧さや阿吽の呼吸が特徴的な「日本的コミュニケーション」
 との相性が良い

・産業レベルの「ゴールデンユースケース」を特定し加速させる
・各産業で生成AIによって大きな経済効果を創出できる
 「ゴールデンユースケース」を特定し、国がインフラや基盤から
 アプリケーションまで加速させる政策を打つ形が理想
・その参考例が中国。領域ごとに中心となる企業を選定し、
 標準的なプラットフォームをつくる政策をとっている。
・保険では平安(ピンアン)、通信ではファーウェイが選ばれて
 医療や自動運転に関するプラットフォームを立ち上げ、
 そこに他のスタートアップが相乗りしている
・見方によってはえこひいきともとれるが、そこまで振り切って
 重点領域の競争力を高めようとしていることも事実

・現在はチャットGPTのように業界横断で有効な大型の汎用モデルが
 主流だが、今後は特定の業界に特化した多様なモデルが登場するだろう
・デジタルトランスフォーメーションやAI企業への変革を推進してきた企業
 は、生成AIにより変革を加速させ、さらなる優位性の構築を狙えるだろう

今回は2023年で注目を集めた
ChatGPTに代表される生成AIです。

日経新聞や日経MJで
毎年恒例のヒット商品番付でも
「大谷翔平」と並ぶ横綱クラス
ということで、
まさに本書で示されている
「大きな変化の潮目」の一つです。

そういえば、東と西ってどう違うのだろうと疑問に思い調べてみたら、
由来となっている相撲の番付では、東と西で同一クラスの場合は
「東の方が西よりも格上」とされているようです。
(東が左位置で、西が右位置にあることに少し違和感を感じるのは僕だけでしょうか…?)

さて、生成AIについては
弊社グループにも統括組織があり、
そこでは全社から様々なユースケースを
日常的に集めてノウハウ蓄積している点で、
自社内での「ゴールデンユースケース」
を探しているのだなぁと、
本書の言葉を借りてみました。

今までのAIの活用方法の違いの一例として、
数字データに対し機械学習(AI)などで
複雑な計算に基づき最適化予測をする。
でも、
その後にクライアントに説明する
レポートの文章や理由付けは人間が行う。
これが生成AIが登場する前の働き方でした。

でも2023年以降は
この後半部分の言語領域を生成AIが担う。

今までは人員数(時間)の制約があり、
レポート制作と、その説明会開催には
一定の限界があったと感じていたので、
このような
数字領域での機械学習と、
言語領域での生成AIの組合せ
"超強力なソリューション"を創りだせそうです。
(実際に私が23年9月頃から着手していた
 プロジェクトが、偶然にもまさにこの
 ユースケースに昇華できそうです)

これを老舗の飲食店に例えるならば…
AI活用での機械学習=「秘伝のレシピ創り」
生成AI活用での大量生産=「フランチャイズ化」
といったイメージに私自身は感じており、
2024年は、日本の人事部の「HRアワード」や
デジタルHRなどのコンペにも応募できそうな、
インパクトの大きい成果物に繋げられそうです。

ということで… 
本業でまさに関わっていることもあり
生成AIについて熱くなってしまった結果、
かなりの長文になってしまいましたので、
今日はこの辺で!

今日も最後までお読みいただき、
ありがとうございました!

それではまたー!😉✨

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