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【座ったままで転倒予防?】転ばぬ先のインナーマッスル!科学的に解説!
<アウターマッスル>
体の外側にあって、大きな力を生み出す筋肉。
<インナーマッスル>
アウターマッスルの内側にあって、関節を安定させ細かい動きや素早い動きを生み出す筋肉。
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【転倒する原因】
転倒の3大要素といえば
「滑り」「つまずき」「踏み外し」
これらのリスクを回避出来れば、転倒しにくい環境となる。
だからバリアフリーは大事なことだ。
多くの施設でバリアフリー
自宅も安全バリアフリー
移動は車で楽ちんに♪
いやいや
いつ筋肉を使えばいいというのだ!
転倒する原因は、環境的な要因だけではない。
薬が原因だったり、
病気が原因だったり、
筋力や身体機能の低下が原因だったりもする。
薬や病気については病院にお願いするしかないが、
筋力や身体機能は自分の努力次第だ。
でも人間、楽に生きたい!
「筋力が落ちて歩きにくくなっても、杖に頼れば歩けるではないか。」
本当にそうだろうか?
【転ばぬ先の?】
「転ばぬ先の杖」といえば、
前もって用心していれば、失敗することがないことの例えだ。
だが、
転ばないように杖を使えば転ばないのかというと、そんなことはない。
要介護状態の人は、杖を使っても転ぶ。
杖を持つ腕が弱いし、杖に体を預けすぎてちょっとでも杖が滑ると、すぐに転んでしまう。
だからより安定性が高い歩行器を使う。
安定した歩行器に頼るので、筋力が弱くなる。
筋力が弱くなると、歩行器を制御できずにまた転ぶ。
さらに安定した車いすを使う。
すごく安定した車いすに頼るので、
さらに筋力が弱くなる。
さらに筋力が弱くなると、車いすへの乗り移りができなくなる。
寝たきりの完成だ。
![](https://assets.st-note.com/img/1731812120-cEAyNax3neIOVo9JqWMw0KhH.png?width=1200)
だから、必要なのは杖や補助具ではない!
筋力だ!!
その筋力の基礎として大事なもの。
それがインナーマッスルなのだ。
どんなに安定した補助具を使おうとも、
腹にくくったインナーマッスルには敵わないこともあるのだ。
信念を持ってインナーマッスルを鍛えれば、
転ばぬ先のインナーマッスルになる
のかもしれない。
【腹にくくったインナーマッスル】
かつてマンガ「ワンピース」の中で、こんなことを言った人がいる。
![](https://assets.st-note.com/img/1731765355-ZMY7X4PKkDFyLwjvRi1xqrQV.png)
ここでは、戦いに対する信念のことをいっているが、インナーマッスルも腹にくくると一本芯がとおった槍として、私たちの体を安定に導くこともある。
信念を持って鍛えたい。
そのインナーマッスルが、
転倒予防につながるかもしれない!
という結果を報告した私たちの研究を紹介する。
研究の対象としたのは、病院の太極拳教室に参加した太極拳初心者の患者さんたち。週に1回座ったままの太極拳を実施した。
![](https://assets.st-note.com/img/1731582375-JCODgLwX6tkynYUdlmV2APaS.png?width=1200)
6か月間継続できた人の健脚度®(歩行速度、歩幅、踏み台昇降、つぎ足歩行)を測定した。健脚度®というのは「歩く」「またぐ」「上って降りる」という日常生活でつかう移動能力を測定して点数化したものだ。
その結果
6か月後の全ての項目について、健脚度®の点数が上がっていた。
つまり、移動能力が向上して転倒しにくい身体になったということがいえる。
この結果が面白いのは、
脚の運動は一切していないのに移動能力が向上したというところだ。
やったことは、座ったままの太極拳で、呼吸を意識しながら腕とお腹周りを使った動きをしただけだ。
ということは、
座ったままの運動でも転ばずに歩くための基礎を作ることができるということになる。
なぜ、脚の運動をせずに健脚度®が良くなったのか。
多くの人は、お腹周りが手足の動きの起点となることを、なんとなく知っているだろう。
意外と知らないのは、
「お腹のインナーマッスルは四肢を動かす筋肉が働く前に働き始める」ということだ。
これは、ホッジス氏らの研究チームがこのように明らかにしている。
四肢を動かすと、四肢が動く前に背骨を安定化させる腹横筋をはじめとする腹筋群が活動する
これは、四肢を動かすためには、まず腹横筋という体幹のインナーマッスルが働くことを意味している。
詳しくは、「知らないと損するインナーマッスルの世界⑥」を読むとよくわかる👇
他にも、原氏は医学雑誌の「臨床スポーツ医学2013年12月号」の記事でこのように報告している。
太極拳において、四肢の動きの要は第11胸椎から第1腰椎である。この部分に主要な体幹部の筋肉が付着している。よって胴体の動きが四肢の動きの起点となる
太極拳は体幹のインナーマッスル運動となり、
体幹が安定するだけでも四肢の動きの助けになることがわかる。
だから、脚の運動をしなくても移動能力が向上するというわけだ。
転ばぬ先に必要なものは、インナーマッスルだった!
立って運動できなくなった人も、
まずは座ったままの運動から始めたい。
インナーマッスルの世界はつづく。
その他の「知らないと損するインナーマッスルの世界」はこちら👇