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ゲーテとリスボン大地震
1775年11月1日、ゲーテが6歳のとき、西ヨーロッパに巨大な地震が発生しました。リスボン大地震です。
この大地震は、ポルトガルのリスボンを中心に甚大な被害を出しました。当時の西ヨーロッパ社会全体を、物理的にも、政治的にも、そして精神的・思想的にも、大きく揺り動かしたのです。
ゲーテは、自伝『詩と真実』において、当時のことを下のように書き記しています。
ゲーテ少年は衝撃を受けました。そして、
生粋の叙情詩人ゲーテ
ゲーテは、極めて、自我の強い人間であったと言われています。
多くのゲーテ研究者が同様の見解を述べていますし、ゲーテと同時代に生き、実際にゲーテと交流のあった数多くの人たちが、直接間接を問わず、そのような意味の証言を残しています。
実際、私自身もゲーテの作品を読んでいると、そのように感じることは多いです。
きっとゲーテは自我の強い人間だったに違いありません。
そして、ゲーテは生涯、自らの自我
ゲーテの豊かさの秘密
私がゲーテを読んでいて、常に感じることはその豊かさです。そして、その多面性です。ゲーテの豊かさは、世界の豊かさそのものを示しているようにすら感じられます。
一体なぜでしょうか。
その疑問こそ、私をゲーテに最初に惹きつけた「きっかけ」とも呼べるものだと思いますが、それを解くための鍵は、ゲーテ特有の洞察の仕方に隠されているのかもしれません。
神秘思想家・哲学者・教育者として有名な、ルドルフ・シュ
ゲーテにおける6つの時期と代表作品
ゲーテの人生は83年に及ぶ長いものでありました。そして、最期のときまで、創造の泉は枯れることがなかったといえます。以下、ゲーテの創造的な人生を、私なりに6つの時期に分けてみたいと思います。
①形成期(0歳~22歳)
代表作品『いとしい方はむずがり屋』『同罪者』『ゼーゼンハイムの歌』『ドイツ建築について』『シェイクスピアの日に』
②青年期(22歳~30歳)
代表作品『ゲッツ・フォン・ベルリヒ
ゲーテ研究のはじめに~ゲーテは如何にして別離を乗り越えたか
ゲーテは私にとって特別な作家です。ゲーテの言葉に幾度も支えられながら、私は、これまでの人生を生きてきました。
ドイツには「ゲーテはすべてを語った」という諺が存在するようです。それほど、ゲーテはこの世の中のありとあらゆることを深く洞察し、考えた人物であるということだと思います。
ゲーテの言葉に励まされ、元気づけられ、生きる力をもらってきた人間はおそらく数え切れないほどいることでしょう。
いうな