ソニック・アーキテクト(音の総合建築家) ー タクト株式会社

「音=周波数はヒトの感情に影響を与え、記憶に残り、行動を喚起する。」私たちは「音やサウンド」を分析・構築するコンサルタントです。企業の音やサウンド・コンテンツを科学的・戦略的・総合的に構築し知財・無形資産としての付加価値を高め、ブランド力・企業価値向上のご支援をします。

ソニック・アーキテクト(音の総合建築家) ー タクト株式会社

「音=周波数はヒトの感情に影響を与え、記憶に残り、行動を喚起する。」私たちは「音やサウンド」を分析・構築するコンサルタントです。企業の音やサウンド・コンテンツを科学的・戦略的・総合的に構築し知財・無形資産としての付加価値を高め、ブランド力・企業価値向上のご支援をします。

最近の記事

第63回:MacはThink Differentしているか?(後編)

ほんの数秒のサウンドを数億〜十数億人の世界中の人々に何十年にもわたって浸透させ続けている最大の成功例、Macの起動音について解説を続けて参りました。 ここで気になるのがライバルのあの会社、翻ってマイクロソフト。 試行錯誤の歴史はありますが、アップル社は長年Macの起動音に「F#(Triad) 、すなわち嬰ヘ長調の長三和音(ファ# -ラ#-ド#)」を使い続けています。少なくとも20年以上に渡り同起動音を使い続け、数億~十数億人のお客様に耳なじみのあるサウンドとして定着してい

    • 第62回: MacはThink Differentしているか?(中編)

      Macの起動音でThink Differentを表現するアップル さて、ほんの数秒のサウンドを数億〜十数億人の世界中の人々に何十年にもわたって浸透させ続けている最大の成功例、Macの起動音について解説を続けます。 米国では1980-90年代から音=周波数がヒトの心理・行動に与える影響について基礎研究が続いていますので、米企業ではエヴィデンスに基づく科学的なサウンド構築が日本に先行して進んでいます。 そのような背景の中、アップルは以下の要素を織り込んでMacの起動音を制作

      • 第61回: MacはThink Differentしているか?(前編)

        わたしたちソニック・アーキテクトが企業の皆様に絶えず訴えかけていること。それは・・。 エヴィデンスに基づく科学で構築された音やサウンドの効果 企業理念やメッセージは、文字やヴィジュアルデザインだけではなく、音やサウンド通じて「も」お客様に発信されるものです。そしてそのためには、企業がお客様に発信する音やサウンドを「エヴィデンスに基づいて科学的に構築」しなければいけません。それにより・・ ・「ほんの数秒、ひと聞き」で視聴者の心に御社の企業理念やメッセージを広げることができ

        • 第60回:展示会見学、四角いお部屋をまあるく掃く!?

          先日、東京ビックサイトで開催されていた某展示会を見学しました。彼の地で開催されている産業展示会の例に倣い、水曜日から金曜日まで終日開催されており、大きなコンベンションセンターが出展企業ごとのブースに区切られていました。いわば大きな天井の高い体育館のような建物の中で大型・中型・小型のブースがお祭りの夜店のように軒を連ねているといった様子です。 展示会は通常、関連する産業から何百社もの企業が出展します。例えば、「オフィスづくり」がテーマの展示会でしたら、オフィスの移転をプロジェ

          第59回:ジングルかソニックロゴか?それが問題だ。

          昨今多くの日本の大手金融機関がソニックロゴを使い始めているように思います。 みずほ銀行、三菱UFJ銀行、りそな銀行に三井住友銀行。 内閣府の「知財・無形資産の投資・活用戦略の開示及び ガバナンスに関するガイドライン」(参考資料篇-5)に「ブランド価値は、音、位置、立体形状など多様な商標によって保護されており、これらも知財・無形資産の対象範囲に含まれる。」と述べられている通り、ソニック・ロゴは単なる製品宣伝のためではなく、企業理念やメッセージを発し人々の共感を醸成する知財・

          第59回:ジングルかソニックロゴか?それが問題だ。

          第58回:音で聞く社名、🎵◯◯◯〜◯ハウス

          筆者は朝の支度時間のBGMにYouTubeを視聴しています。視聴といっても身支度をしながらですから、画面は見ておらずラジオ感覚で音だけ聞いています。 YouTubeはコンテンツの間に広告が入りますが、ソニックロゴを使ってメロディに社名を載せている企業もあれば、そうでない企業もある。そんな中聞こえてきたのは、家族の会話とオーケストラのメロディ。 会話とメロディからは社名も商品名も聞こえない・・? と思った10秒後。 🎵ミ ファ# ソ~  ラソミレ~  🎵◯◯◯〜◯ 、

          第57回:クロスモーダルのこれから

          前回までの記事では音と味覚の作用についてお話しをして参りました。 さて、それでは科学的なクロスモーダルを利用した食品などはすでに市場にどの程度あるのでしょうか。 例えば、機内食をより美味しく召し上がっていただくために、工夫をされている航空会社があります。飛行機の中のホワイトノイズと高デシベルの環境下では甘味の感じ方が鈍くなり、うま味を感じやすくなります。ですので、りんごジュースよりトマトジュースの方がおいしく感じやすくなりますね。 また、Background Noise

          第56回:「クロスモーダル」を発生させるには?

          例えばサハラ砂漠や南極などのど真ん中など、一見無音に感じるすべての場所にも実は複数の音があって、地球上に音のない場所は実験的につくった空間以外は存在しません。つまり、すべての場所には音があって、その空間における音の環境の事を「サウンドスケープ」と言います。そしてビジネスにおけるサウンドスケープとは、環境の音づくり、と考えることもできます。 音と味覚の視点で具体例を申し上げると、美味しい機内食と周波数には関係があります。例えば、周波数は甘みや苦み、風味、温度、食感の感じ方に影

          第56回:「クロスモーダル」を発生させるには?

          第55回:「音で味は変わりますか?」

          最近よく聞くご質問。 「音は味覚に影響しますか?」「音で味は変えられますか?」 いつも申し上げている「帝釈天で産湯を使い方式」で回答しますと、<音はヒトの「感情」を引き出し、動かし、「記憶」を呼び起こし、「行動」を喚起することができます。>ので、答えはもちろん、「イエス」です。 クロスモーダルとは何か しかしながら、日本の各種メディアや広告、企業様の発信などを拝見しましても、「音が味覚に働きかけるクロスモーダルの仕組み」を正しく理解・応用して音と味覚の効果を活用されて

          第54回:本当は怖い「ウルサイ音」

          聴覚過敏でなくとも、都会で生活をしているとさまざまな「大音量」や「不愉快な音」に毎日遭遇します。 オフィスビルの入り口に仕掛けられている害獣対策の装置が発する「ピピピピピピ」という高周波音は耳に痛いものです。 また、先般などはコンサートを聞きに行ったのですが、開幕のベルの音がこれから始まる素敵なクラシック音楽のコンサートには到底そぐわない音で大変驚いてしまいました。 東京の駅で切符を買うと、切符の取り忘れ防止のためか「ピピピピピピ」と音が鳴るのですが、なぜか駅によって音

          第53回:音と薬は正しい摂取を!

          さて、前回の記事では「音が医療分野にもたらす効果」についてお話しをしました。 最近では軽度認知障害(MCI)や初期段階のアルツハイマー型認知症の被験者に40hzのサウンドをヘッドフォンで聞かせることで、アルツハイマーの脳委縮を防ぎ認知機能の改善が見られたとのマサチューセッツ工科大学のラボの研究結果も発表されています。 一方で、アルツハイマーなどの症状が進行した中等度以上の場合、ヘッドフォンを自分で取ってしまったり、同じ場所にいられなかったりすることから、必要な音の処方時間

          第52回:それって、「科学?スピリチュアル?」今こそ正しい音と医療の関係を。

          巷には様々な音に関する情報があふれています。 曰く、「音楽を聞きながら治療を受けると痛みが軽減される。」「特定の産地の黒毛和牛はモーツァルトを聞いてリラックスしながら育っているのでお肉がおいしい。」「特定の周波数を出す音叉を聞くと心が癒される。」・・・・など、各種の音楽療法からセラピー、果てはスピリチュアルと呼ばれるものまで、「音が人(や和牛も?)に及ぼす好影響」に関する情報が世の中にはあふれています。 さて、いつもの「帝釈天で産湯を使い」方式です。 「音やサウンド」=

          第52回:それって、「科学?スピリチュアル?」今こそ正しい音と医療の関係を。

          第51回:更に居心地の良いレストランへ、3つのステップ!

          さて、このところソニック・ロゴのご紹介が続いていましたが、久しぶりにレストランの快適な音環境づくりについて振り返ってみましょう。 居心地の良いレストランを創る4つの法則に加え、さらに快適で戻ってきたくなる空間づくりの3つのステップをご紹介しましょう。 1.音を意識して家具を選ぶ まだお店のオープン前でしたら、ぜひ「音」を考慮して椅子やテーブルを選んでみてください。硬い素材の床に硬い素材の椅子ですと、椅子を引くたびに「ギーギー」といった音が店内に響きわたります。またまたフー

          第51回:更に居心地の良いレストランへ、3つのステップ!

          第50回:明治、プロダクトソニックロゴの勝者 - ネット広告も制す?

          明治製菓さんといえば、プロダクト・ソニックロゴの王者と言って良いでしょう。 製品名に秀逸なメロディを乗せた広告でお馴染みです。 🎵チョコレイトは、◯・◯・◯! 🎵◯◯◯ブルガリアヨ〜グルト と 仮に社名を伏せたところで、皆さんの心の中には計算されつくしたメロディとともに社名が想起されたはずです。 そんな明治製菓さんは、もちろんやっています。 社名の入ったソニック・ロゴをCMの最後でなく、冒頭に発信していますね。 ソニック・ロゴは企業理念や製品メッセージを数秒のメ

          第50回:明治、プロダクトソニックロゴの勝者 - ネット広告も制す?

          第49回:アイフル。そこに愛とリスク回避がありますね

          ♪愛が一番~、ア~イフル~・・ 久しぶりに秀逸なソニック・ロゴです。 心理学と音楽理論の角度から科学的に分析しても極めて秀逸。また、米英ですでに先行して進んでいるソニック・ロゴを周波数解析してもとても良いスコアが出るであろうことは容易に推測されます。                                 さて、ソニック・ロゴは、数秒のほんのひと聞きで企業理念や商品のメッセージを発信する短いメロディです。  申し上げるまでもなく、アイフル株式会社は消費者金融会

          第49回:アイフル。そこに愛とリスク回避がありますね

          第48回:フリマサービスの覇者はソニック・ロゴの覇者

          ついにやりましたね!メルカリ。 おもねるわけではありません。 ソニック・ロゴは企業理念や製品メッセージを数秒のメロディで発信するものです。今やネット閲覧はタイパ重視。CMは一瞬でスキップされてしまいます。 そんな中、メルカリのソニック・ロゴはCMの最後でなく、冒頭に発信されています。 みなさん、想像してみてください。大抵のソニック・ロゴはCMの最後に発信されていませんか?あの、「インテル入ってる。♪ピンポンパンポン」ですら、CMの最後での発信です。 常々申し上げてい

          第48回:フリマサービスの覇者はソニック・ロゴの覇者