そういえば、私の家族もこうだった
複雑性PTSDや、
毒親を持つ人、
機能不全家族で育った人の
生きづらさの治療に非常に有効とされる
『内的家族システム療法』ですが、
最近本当に内的『家族』システムという
名前の秀逸さに唸っています。
と、言いますのも、
よくよく考えてみると、
内的家族システム…つまり
自分と自分のパーツたちの関係って、
本当に生まれ育った家庭のシステムと
そっくりなんですよね。
どういうところかというと…
まず、パーツワークではよくパーツに
『自分は今何歳だと思うか』
と聞く、というワークをします。
自分の年齢くらい知ってるだろ、
と思いがちなのですが、
実際に尋ねてみると
『3歳』とか『5歳』とか、
今の自分よりも若い年齢を言うことが
ほとんどです。
その理由は、これらのパーツが
解離された時の年齢のままで
時間が止まっているからなんですね。
何かしら、子供であった私たちの自我には
手に負えないような状況になったときに、
代わりに私たちを守るために
私たちの一部が解離して、これらの
『セルフと完全にはつながっていないパーツ』
が生まれました。
なのでわざわざパーツワークという、
解離されているパーツと繋がる作業をして、
かつ言葉で
『もう30代だよ、だからもう大丈夫なんだよ』
と伝える作業をしないと、パーツはずっと
『3歳の子供を守れるのは自分だけ!』
と必死で働き続けてしまいます。
どの状況で、どのパーツが出てくるか、というのも…
みんなで決めるというわけではなく、
とにかくその時点で一番大きい声で叫んでいる
パーツが出てくる。
パーツ同士を会わせて会話してもらう、
というワークがあるのですが…。
これは私自身やってみるまでは、
解離されているのは『私』だけで
パーツ同士は情報を共有しているのだと
(なぜか)思い込んでいたのですが…
やってみると、意外と
『ちゃんと会話したのは初めて』
ということがほとんどです。
あれ、お前らいつも喧嘩してるんじゃないの?
と思ってしまったのですが、
その通りで、いつも喧嘩して
泣き喚いたり怒鳴ったりしていただけで
『会話』はしたことがなく、
会話をすると意外とすんなりと
『あなたの言い分もわかる』
とか言い出すんですね。。。
つまり、今まで会話ができていなかったのは、
パーツがみんな多大なストレス下にいたから。
みんなバラバラで、
自分の『仕事』をするのに必死で、
互いにコミュニケーションなんて
取っちゃいなかったのです。
ここまで読んで、多分何かしらの
既視感を持った方もいるかと思います。
一緒に住んではいるけれど、
きちんとお互いを理解し合うための
会話はなく。
なぜか重要なことは一切話さない。
話すのはイライラした時、焦っている時、
自分の気持ちをぶちまけたり、
自分の安全のために相手のケアをしなければと
思う時だけ。
相手のことは実際よく知らない。
これ、まさに機能不全家族ですよね…。
加え、トラウマ治療をしている人から
よく聞かれるのが、
『今までパーツがうまくやってきたんだから、
そのままやって貰えば
いいんじゃないかと思うことがある』
『パーツじゃなく「自分」で対応する
ということがどういうことなのかわからない』
というもの。
私も正直
『今までせかせかと、
私の人生を前に動かしてくれていたパーツに
全てを任せていられたときは楽だった』
と思うことが多々あります。
これは実際の家族に例えると
なんでしょうか。
まさに『親であることを放棄して
子供に物事を任せる親』ですよね…。
しかも子供が必死で頑張っても、
やっぱり子供なのでうまくできなかった時は、
すっごく怒ったり失望したりする。
いや、そもそも子供に
そんな重要なことを任せるな!
という話ですよね…。
子供は本来子供らしく、
親に頼れるべきなのに。
そう考えると、
いや、そんな親にはなりたくないな。
ちゃんと子供達を、
与えてしまった『仕事』から解放して、
安心して子供になってもらおう。
とトラウマ治療を頑張ろうという気分になれます。
機能不全家族で育った人間は
『自分だ』と思うとぞんざいに扱って
しまいがちなのですが
これらのパーツが、
例え悪いことをしてしまったとしても
『やり方は間違っていても、
私を守ろうとしてくれている子供なんだ』
と気づくことで少しづつ
ケアできるようになっていきます。
そして、この『家族』システムが
変わっていき、パーツたちが穏やかに
コミュニケーションが取れるようになると、
今度はみんなリラックスして自分の意見を言い、
『私たち』であるセルフは
みんなの意見を聞いて
家族としていろんなことを
決めていけるようになる。
つまり、自分の中に
健全な家族という組織を
作ろうというのが
内的家族システム療法の
考え方なのではないかと思います。
いつも読んでくださって
ありがとうございます。
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