腹圧の仕組み
「腹圧」という言葉も馴染みのあるものになってきましたが、時々「腹筋」とごちゃ混ぜになってしまっている人がいるように感じます。腹筋とは腹直筋や腹斜筋、腹横筋というお腹周りの筋肉を指すのですが、これを鍛えたら腹圧は上がるのか?というと、答えは△です。
腹圧は腹腔の内圧を指し、その腹腔は側壁が腹横筋、上壁が横隔膜、下壁が骨盤底筋群で構成されます。つまり、腹筋の中でも腹横筋が鍵となっており、腹横筋が機能したとしても上壁の横隔膜、下壁の骨盤底筋群が協調しなければ、腹圧は上がらないので、その3つが協調する必要があります。
腹圧のための3つの壁
①側壁:腹横筋
腹横筋は腰椎からお腹をぐるっと1周し、また腰椎まで戻ってくる筋肉で、収縮するとお腹をキュッと引き締めます。コルセットと同じ働きをするので、コルセット筋と呼ばれたりもします。
腹横筋は息を吐く時や様々な運動に協調して活動すると言われています。トレーニング方法は両手をお腹に当てて、しっかりとウエストが細くなるのを確認しながら息を吐いていきましょう。
②上壁:横隔膜
横隔膜は肋骨の縁沿いに胴体を1周取り巻き、胸郭に入り込むようにドーム状になっています。収縮するとドームの天井が下がるように動き腹腔の上壁を押し下げてきます。
横隔膜は主に息を吸う時に活動し、トレーニング方法は肋骨の縁から指を少し上方に差し込み、指を押し出すように息を吸っていきましょう。
③下壁:骨盤底筋群
骨盤底筋群はその名の通り骨盤の底にあり、複数の筋肉がボール状に折り重なっています。収縮すると、ボールの底が引き上げられるように動き、腹腔の下壁を押し上げていきます。
骨盤底筋群は息を吐く時や、下半身の筋肉と連動して働いたりします。トレーニングは尾骨の先端をヘソの方に引き寄せるように力を入れていきましょう。尾骨を触りながらすると、少し動くのがわかります。
最後にひとこと
腹圧は腹筋を鍛えると良いと思われがちですが、腹腔の上下の壁となる横隔膜や骨盤底筋群も忘れずにトレーニングしていきましょう。
腹圧が上がると、姿勢改善や便秘改善、腰痛予防、運動のパフォーマンスが上がるなど様々な良い効果が期待できます。是非、腹圧トレーニングを取り入れていきましょう。