兄貴風を吹かすと得れるもの
十二月生まれの四歳息子。
保育園には数カ月年上の同級生が多くいる。
一番慕っているのが竜馬くん五歳。
自転車、鉄棒、サッカー。
なんでもできる兄貴分な彼に憧れを抱いている。
家でのごっこ遊びは、パパに自分(息子)役をやらせ、息子は竜馬くんになって勝利するという顛末。……楽しいのかな?
夕方の公園。
今日は竜馬くんは来てない様子。
一人で滑り台をしていたら、初めての親子が来た。
一つか二つ下の女の子。
普段は知らんぷりの息子も、女の子が愛想よく、積極的に近寄ってくるので「えー」と言いながらも満更でもない。
階段を昇る彼女を後ろで見守ってあげたり、「怖くないよ」なんて助言も。やるぅ。
調子にのったか、次に息子は滑る方の坂から昇り出す。
普段は竜馬くんしかやらない、自分は見てるだけだった芸当。
「お兄ちゃん、すごいね」と向こうのママに言われ……
頂上で見せた照れ笑いが誇らしかった。
爽やかにお兄ちゃん風の滑り台
(さわやかにおにいちゃんかぜのすべりだい)
季語(三秋): 爽やか、爽気、秋爽、さやけし、さやか、爽やぐ