かなつん __ʃ⌒ʅ__。🖋

6歳息子のパパ ■毎朝、日記or小説(400文字)と 俳句(十七音)を。 ■時々、妻が朗読 [ツマヨム]します。 ■ショートショート note杯入賞 ■2017年 指定難病「皮膚筋炎」18年「間質性肺炎」罹患。現在、在宅酸素にて執筆活動を再開。 ■「笑って免疫力をあげる!」

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6歳息子のパパ ■毎朝、日記or小説(400文字)と 俳句(十七音)を。 ■時々、妻が朗読 [ツマヨム]します。 ■ショートショート note杯入賞 ■2017年 指定難病「皮膚筋炎」18年「間質性肺炎」罹患。現在、在宅酸素にて執筆活動を再開。 ■「笑って免疫力をあげる!」

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    朗読好きの妻が、自作及びnoteクリエイターの作品を朗読しています。

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    #ショートショートnote杯 に応募~入賞したのをきっかけに、410文字以内の短編を書き始めました。その自作品をまとめたものです。

  • 子供が産まれたと同時に難病になった喜劇作家の入院日記

    2017年に指定難病「皮膚筋炎」翌年「間質性肺炎」と連続して発病し3年間入退院を繰り返してきました。気持ちの整理がついた今、入院中にしたためていた日記を再構成して文章にしていこうと思います。 ※プライバシーに配慮し自分のこと以外はフィクション化しています。

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子供が産まれたと同時に難病になった喜劇作家の入院日記1「突然の宣告」

入院初日。 医師から今後の治療方針のあれやこれやの説明を受けている最中、突然目の前が真っ暗になった。意識消失。ブラックアウト。人生の暗転……    * 病気のこと(特定疾患)。 入院期間の長さ(最短でも2か月!)。 お金のこと(いくらかかるの?)。 仕事のこと(フリーランスなのに)。 なによりほんの3か月前に生まれた息子と妻のこと(育児は? 生活は?) それらを考えたらパニックになったのかもしれない。精神的容量オーバー。現状を受け入れ前を向いてやっていくしかないのは分

    • 毎朝トーストを食べるように(三月の十七音まとめ)

      朝食を食べるような感覚でno+eを書いてきました。 朝にトースト一枚食べなくてもどってことない。書いても書かなくても―― そんな気軽さが逆に長く続けられた秘訣だったかもしれません。 一年前、この理想とする句を取り上げ 「でも、自分にはまだこの“春惜しむ”境地が分からない」 と申しました。 今朝――息子、最後の保育園。 準備している姿を見ていて不意にこの“春惜しむ”感覚が降りてきたんです。 ああ終わってしまう、もう少しこの時間を…… トーストにべに花ソフトですけど、たっぷり

      • 踊り場の友の「ほな」の手鳥雲に

        三十分ほど遅く妻子が保育園から帰宅した。 友だちと帰りが一緒になり、遠回りしてきたらしい。 彼とは小学校が別。 彼らなりに別れを惜しんでいるのかな。 「寂しく感じる?」と息子に聞くと「よく分からない」。 実感はまだない様子。 振り返るに、私も思い出に残ってるのは卒業式や最終日より、個人との別れの場面だったりする。 大阪にいた小学校時代。 内気な私にお笑いを教えてくれ、一緒に学芸会コントをやった友。 あの時初めて台本を書いたことが今に繋がってると思うと、彼は自分にとって大き

        • 厨よりうどんの匂ひ春の風邪

          どこからか懐かしい匂いが漂ってくる。 青年はベッドの上で目を覚ました。 朦朧としたまま自分の額に手をやる。 どうやらピークは越えたよう。 ……大事な日の前にはいつも熱を出す。 独り言ちながら、ふと、ある記憶を思い出した。 自身六歳。保育園生活も残りわずかとなった日。 園で三十八度の熱を出し、母が慌てて迎えに来てくれた。 そこから二日間「保育園行きたい」と泣きながら訴えた思い出。 熱よりも最後に皆と会えないことの方が辛かった。 何も食べないと駄々をこね、父が作ってくれたうどん

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        子供が産まれたと同時に難病になった喜劇作家の入院日記1「突然の宣告」

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          春の夜に蝶々結びを教はる子

          「これできる?」 ママが器用な指さばきで紐を結ぶ。 その様子を凝視している六歳息子。 先日、水着の紐が自分で結べないことが発覚。 蝶結びを教えていなかったから。 小学生になるまでに――と毎夜のレッスン中。 その過程で、私の結び方も正式な蝶結びでないことが判明。(な!) 輪っかを作るのが逆らしい。 「タテ結びなのよそれ」 人生で何も問題なかったけどな…… デパート仕事でリボンは妻の日常作法。 呼吸するほどに身についている。 ちなみに「蝶結び」と「リボン結び」はまた別物らしく

          春の夜に蝶々結びを教はる子

          学童用ドリルを選ぶ菜種梅雨

          息子のスイミングを見届け、外に出る。 雨が降り続いていたので本屋にて待ち合わせ。 学習参考書コーナーを物色した。 お目当ては新小一用ドリル。 小学校入学前に、来週から始まる学童保育に持たせるもの。 息子の新生活も忙しない。 足し算引き算、カタカナ練習……どれにしよう。 勉強を、というよりどうせなら楽しく過ごしてもらいたい。 塗り絵じゃ駄目なのかな? 「間違い探し」はOK? 「プログラミング」なんて教材がある。これがいいか。 決められず、ぐるり見て回る。 数十年ぶりに大学

          学童用ドリルを選ぶ菜種梅雨

          花冷や見切りをつける習ひ事

          六歳息子が最後のタブレット学習(「こどもちゃれんじ」)を終えると、しまじろうたちが卒園の歌を歌いだした。 保育園同様、二歳の頃からお世話になってたのでじーんとする。 息子を見ると、画面を凝視し涙を流していた。大丈夫? 「終わっちゃうの寂しい」 自分でやめるって決めたくせに。 「やめるって決めるとやりたくなるの」 ……分からないでもない。 毎週日曜のスイミングスクール。 いつも嫌がっていたのが、この一ヶ月何も言わずに通いだした。 理由を聞くと「もうやめるって決めたから」 マ

          花冷や見切りをつける習ひ事

          押し花にせしあの花の雨の夜

          その夜、瑞月は自室にいた。 窓には雨音が聞こえている。 明日は晴れてくれるといいのだけれど…… たった今、父と母に挨拶を終えたばかり。 笑顔の母に比べて父は……泣いていたのだろうか。 「いい人と出会えたな」と言ったきり俯いてしまった。 瑞月は机の引き出しから宝箱を取り出した。 数年ぶりに蓋を開く。 中には――桜の花の押し花。 あの日のことを昨日のように思い出す。 自身六歳、保育園卒園間近のある日。 自宅の庭に生えていたつくしを摘んで、「彼氏」と呼んでいた慎太郎君にプレゼ

          押し花にせしあの花の雨の夜

          ランドセル届くほら見てチューリップ

          祝福に包まれた一日となった。 侍ジャパンのWBC優勝。 「泥だらけのストッパー」大谷翔平が最後の打者を三振に仕留める。 グローブと帽子を投げてのガッツポーズに胸が熱くなった。 感動冷めやらぬまま外に出る。 目的はランドセルの受け取り。 店ではもう来年のを所望してる方がいた。 うちは昨夏だったか。 じいばあと皆で買いに来たのを思い出す。 ママが渋るのを押し切って当人が「これ」と選んだ。 果たして今も気に入ったままでいるかな。 保育園から帰った息子に見せると開口一番―― 「な

          ランドセル届くほら見てチューリップ

          春分の句点を意識する日記

          春分。 家族で江戸川の土手へ。 菜の花を愛でつつの塩むすび。 小学校準備へ忙しい中、一呼吸する時間が持てて良かったな。 ごろんとして目を瞑る。 歳時記と暮らし、二十四節気を意識するようになった。 折々の節目が、心機一転にとてもいいなと思う。 妻子の追いかけっこの声を聞きながら、月来考えていた区切りを決意した。 ――「かなつん」としてのno+e更新を三月いっぱいで止める。 売名したいという開設当初の気持ちに変化が起きていた。 息子が成長しネット検索もできるようになった今、私

          春分の句点を意識する日記

          花ミモザ制御不能の男児たち

          卒園式後も保育園は続く。 朝、門前の奇麗な黄色い花の木(ミモザ)が、息子の背を超えていることに気が付いた。 成長って、知らないうちにしてるものなんだな。 ☆ 夕方、妻が先生に言われた。 「日曜は男の子たちがお宅に集まったそうで」 そう。友達三人が遊びに来た。 元々は近所のリョウマ君一人の予定が、直前の公園で仲間と出会い「皆行こうぜ」となって…… 2DKアパートに育ち盛りが四人。 五分で家はカオス。 床はおもちゃでごった返し、空中はスチロールの銃弾が飛び交った。 後片付け

          花ミモザ制御不能の男児たち

          【朗読】 『さみしいチーズくん』 【2分】

          チーズくんはいつも泣いていました。 チーズくんにはお父さんもお母さんも、兄弟も誰もいません。 チーズくんはお家の中で独りぼっちでした。 ある時、チーズくんは思い立ちます。 「友達を探すぞ」 チーズ君は勇気を出して、お家を飛び出しました。 公園に立ち寄った時です。 同い年のトマトちゃんが通りかかりました。 チーズ君はトマトちゃんに言います。 「一緒に遊ぼ」「いいよ」 二人は仲よく遊び始めました。 それを見ていた多くの友だちたちが、 「いれて」と集まってきました。 チーズ君は驚きながらも、皆に「いいよ」と答えます。 すると友だちの輪がどんどんと広がっていきました。 「もうさみしくない」 チーズ君は思いました。 ※息子の製作過程はこちら https://note.com/t_kanatsu/n/ndc45f5fa3625 ※Directed By かなつん__🖋 「音楽の卵」さん(http://ontama-m.com/index.html)の曲を使用しています。

          【朗読】 『さみしいチーズくん』 【2分】

          【朗読】 『さみしいチーズくん』 【2分】

          焼肉の子は春陰を吹き飛ばす

          朝から雨。 卒園の名残りもあって気分も曇りがち。 「もう一回、卒園式してほしいなあ」と私が言うと、 「また五年やるの嫌だよ」と妻子が声を揃えた。 そういう意味じゃなく…… 当の息子は元気溌溂。 特に昼は、じいばあが焼肉キングをご馳走してくれるってんでテンション↑↑ 小学生未満は無料なので、三月中に来れて良かった。 カルビを口に運びつつ、卒園話に花が咲く。 式後の庭で女の子といたことを指摘すると、息子は「急に連れて行かれたんだよ」口をとがらせた。可愛い。 文集でその女の子が

          焼肉の子は春陰を吹き飛ばす

          椿落つロマンス惜しむ園児かな

          保育園卒園式。 証書授与もお別れの言葉も歌も、父親は涙を堪えた。 凛々しい顔で式に臨むシンの雄姿を見届けようと。 園児退場を拍手で送り、振り返ると妻が笑顔のまま号泣していた。 瞬間、決壊が起きる。 妻の積年の苦労と喜びが胸に響いたのか。 どうにも涙が溢れて止まらなくなった。 ☆ 文集をもらう妻を残し園庭に出る。 晴天が眩しい。 先に出た息子を探すも見当たらない。 リョウマ君たち遊具の一団には加わってない模様。 半周し駐車場の方へ。 植え込みに赤い椿が丸ごと落ちている。

          椿落つロマンス惜しむ園児かな

          背を追って卒園式へ向かう空

          大病をして良かった―― なんておいそれとは言えないけれど、息子といる時間を多くもてたのは一つ恩恵。それと…… ☆ 先日、保育園に送ったとき、教室へ行く階段途中で息苦しくなり座り込んでしまった。一人の先生がそれに気が付いていたようで、夜にお迎えの妻が 「卒園式で椅子をご用意しましょうか?」と聞かれたらしい。 本当は一家族に一席。 旦那さんはカメラ席で立って観るのが決まりなんだけど。 私は御厚意に甘えることにした。 息子が園生活で出来ることがどんどん増えていったの対し、 私

          背を追って卒園式へ向かう空

          蝶生る残り僅かの通園路

          妻の早出で朝時間を息子と二人。 起こして、ご飯、着替えさせて、保育園に―― いつものバタバタを覚悟していたら、あらら。 ママが出る直前に起きてきた。 その後も全部言われる前に自分から。 なんなら朝のnote書きに没頭していた私に、 「もう着替えた方がいいよ。パパは遅いんだから」 リトルママがそこにいた。 性格は人との関係性で変化する。 私との間で彼は面倒見のいいお兄さん。 物心ついた時、私は車椅子で彼はベビーカー。 そこからお互い歩けるようになって……あっという間に差を付

          蝶生る残り僅かの通園路