#海外文学のススメ
『青い脂』こいつはマジで年間ベスト
とてつもない技術を前にすると、自身に学や知識がなくとも、作者が何をしたいのか、どういう意図でこれを行っているのかをぼんやりと思い浮かべる事ができる。そういった経験は自身の無学さを痛感させると共に、これから何を学ぶことができて何を享受することができるのか期待感を持つことができる。勝手にそう信じているし、読書をする理由であると考えている。
文学を含んだメディア分野での破壊行為は、先人に尊敬を払
辛い体験はそのままで保管しない
ウラジミール・ソローキンの『青い脂』を読んでいるのですが、これがとてもなくしんどい。辛い。もう辞めたい。いや、ただの読書なので意味が分からんと一蹴してしまえばいいのだけれど、どうもそれは性に合わないし、つまらないならつまらないで何故つまらないのかを理解したい。どんなメディアにも言えるけど、辛い体験をただただ辛かったと規模を小さいものとして保管しておきたくない。体験を補完するのであればせめて、理由
もっとみる『すべての美しい馬』を読み想う荒野
人は美しいものを見て、その時に湧き上がってきた感情を美しい、の一言に凝縮しようとする。これは悪いことではなく、むしろ、良いことだと思っている。各々が美しいと感じたものというものは、自身の中で折り合いをつければいいだけで、己の中に秘匿しておくべきだろう。しかし、今は美しさについて書きたい。
コ―マック・マッカーシーの『すべての美しい馬』を読んだ。前回読んだ『ブラッド・メリディアン』が、血を煮詰め