140字小説(ついのべ)2023年6月分
堤防で夜釣りをしているとよく野良猫と人魚が現れた。僕の釣った魚を勝手に食ってはじゃれあって遊んでいた。そのうち人魚は来なくなったが、野良猫から飼い猫にした猫はもう三十年生きている。人魚が何かしたのだろう。僕にも何かしたかもしれないが、その答え合わせはまだできないでいる。
20230628
パーティーの音楽がここまで聞こえる。私は馬車の御者として、ここで時間が過ぎるのを待っている。12時の鐘が鳴ったらシンデレラの魔法は解け、私もただのネズミに戻る。それまでのひととき、人として