マガジンのカバー画像

創作小説・明青高校シリーズ

23
運営しているクリエイター

#ラブコメ

創作小説・神崎直哉の長い1日 第1話 ときぬき萌えリアル

創作小説・神崎直哉の長い1日 第1話 ときぬき萌えリアル

※この作品のオリジナル版は2006年に執筆されたものです。

最終章    伝説の樹の下で

 卒業式を終えたオレは教室の机に戻ると、何か見慣れない物があるのを発見した。

「なんだ? これは……」
 それは差出人不明の手紙だった。

『小波クンへ

今日の夜19時に

公園の伝説の樹の下で待ってます

あなたを想う者より』

「なんじゃこりゃ~っ!!」

 オレは叫んだ。

 教室中のみんなが一

もっとみる
創作小説・神崎直哉の長い1日 第6話 朝食ーモーニング息子。ー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第6話 朝食ーモーニング息子。ー

 制服に着替えた俺は、朝食を食べにリビングに行った。

「あっなおや!待ってたよ~早く食べよ~♪」

 必要以上にデカい食卓の上には、簡素なジャム付トーストとコーヒー。

 そして先程の謎の行動が無かったかのように、凛がヘラヘラしながら待っていた。

 先に喰ってればいいのに。

 こいつはいつも、お預けをくらった犬のようにおとなしく待っているのだった。

「加齢臭は?いないみたいだけど?」

もっとみる
創作小説・神崎直哉の長い1日 第7話 通学路ー与謝野晶子とオスマン・サンコンー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第7話 通学路ー与謝野晶子とオスマン・サンコンー

「凛、おまえ加齢臭の新作読んだか?」

「うん。読んだよ。面白かったよ!」

 官能小説を満面の笑みで面白かったと語る、女子高生は果たしてどうなのか。

 そして、女子高生に官能小説を読ませる中年親父もなんなのだろう。

 わざわざ感想を聞く俺も俺だが。

「あのね~万太郎君がね~。トーナメントの決勝で番長と戦うところが面白かったよ~」

「そうか。加齢臭にもそう言っとくよ」

 官能小説の感想と

もっとみる
創作小説・神崎直哉の長い1日 第8話 パーフェクトガールー理想的な関係ー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第8話 パーフェクトガールー理想的な関係ー

 全てが完璧という少女がいた。

 容姿。頭脳。運動神経。人間関係。

 今、俺の横にいる少女、天堂梓〔あずさ〕はまさに全てが完璧だった。

 街を歩けば、誰もが振り返って彼女の事を見る。

 校内で行われるテストでは常に学年トップ。

 スポーツも何でもこなしてしまう。

 人を差別する事はなく、誰とでも平等に接する。

 非の打ち所がない。

 絵に描いたような完璧さだった。

 だが……

もっとみる