腹臥位/四つ這いでの3種類の体幹運動と筋活動比較
📖 文献情報 と 抄録和訳
腹臥位と四つ這いにおける脊柱起立筋の左右差運動
[背景・目的] 脊柱起立筋(erector spinae, ES)筋のアンバランスを修正するためには、左右差のある脊柱起立筋(ES)強化が必要である。その目的は、3種類(6つの体位)がES筋の差動活性化に及ぼす影響を検証することであった。
[方法] 14名の健常な若い女性を対象に、表面筋電図システムを用いて、第3腰椎(ESL3)、第10胸椎(EST10)、第6胸椎(EST6)の両側ES筋の活動を、腹臥位と四つ這いで対側の上下肢挙上と四つ這い状態で一肢挙上で測定した。
[結果] ESL3の活動はすべての体位において対称的であり(P > .05)、胸部ES筋の活動より有意に小さかった(P < 0.01)。EST10とEST6は、すべての検査で差動的に活性化した(P < 0.001)。また、四つ這いでの対側腕・対脚挙上では、他の体位に比べ、差動活性化が高いことがわかった。
[結論] 四つ這いおよび腹臥位での対側上下肢挙上および一肢挙上は,片側のES筋を他側よりも差動的に活性化させることが可能である.臨床集団におけるES筋の不均衡の是正に対するこれらのエクササイズの有効性を検討するため、さらなる研究を行うことが推奨される。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
まず、整理が必要なところとして、今回の研究はアウターマッスルである「脊柱起立筋」を対象としている。
一方で、特に腰椎周囲の話において主役になることの多い、インナーマッスルの話は出てこない。
インナーマッスルである多裂筋を効果的に鍛える方法については、以下の文献抄読を参照いただきたい。
今回の文献から、胸椎、胸腰椎移行部における脊柱伸展筋を鍛えたい場合には、四つ這いの練習が効果的である可能性が示唆された。
一肢挙上でもある程度の筋活動を認めたため、段階的なトレーニングを組むことが可能だろう。
前回の文献抄読もあわせて、体幹伸展筋のトレーニングは以下のように整理することができるかもしれない。
あとは、それぞれの運動課題特異的な筋活動を知れば、動作や姿勢の問題とリンクした介入内容の選択につながるだろう。
そこまで進んでいきたい。
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