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ランニングシューズの違いが足底内在筋の筋厚, 筋断面積に及ぼす影響
📖 文献情報 と 抄録和訳
足部内在筋、足首の可動性、動的制御に対するテクノロジー搭載ランニングシューズと裸足でのランニングの効果:新規横断的研究
📕García-Arrabe, María, et al. "Effects of technological running shoes versus barefoot running on the intrinsic foot muscles, ankle mobility, and dynamic control: a novel cross-sectional research." Brazilian Journal of Physical Therapy (2024): 101092. https://doi.org/10.1016/j.bjpt.2024.101092
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[背景・目的] テクノロジー搭載のランニングシューズはますます人気が高まり、パフォーマンスの向上につながっている。しかし、足の筋肉と関節の可動性に対する長期的な影響については、十分に研究されていない。目的:テクノロジー搭載シューズを履くランナーとベアフットシューズランナーの足部内在筋の活性化を比較する。副次的な目的として、両グループにおける足関節背屈(DF)の可動域(ROM)と動的姿勢制御を評価する。
[方法] テクノロジー搭載シューズを履くランナー22名とベアフットシューズランナー22名を対象に横断的研究を実施した。超音波画像診断法を用いて、足底筋膜および足底方形筋、小趾外転筋、母趾外転筋、長母趾屈筋の厚さを測定した。 また、足首の可動性と動的姿勢制御も記録した。※ミニマルシューズの定義指数(📕Esculier et al., 2015 >>> doi.)
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[結果] 社会人口統計データからは、グループ間に統計的に有意な差は認められなかった。超音波画像診断による測定では、足底筋膜の厚さ(平均差[MD]: -0.10 cm;95% CI: -0.13、-0.05 cm)、足底方形筋の断面積(CSA)(MD: -0.45 cm2;95% CI: -0.77、-0.12 cm2)、 小趾外転筋 CSA(MD: -0.49 cm2;95% CI: -0.70、-0.17 cm2)、およびの長母趾屈筋厚さ(MD: 0.82 cm;95% CI: 0.53、1.09 cm)は、テクノロジー搭載のシューズを履くグループの方がベアフットシューズランナーよりも低かった。足関節のDF-ROMも裸足ランナーの方が有意に大きかった(MD: -5.1°;95% CI: -8.6, -1.7°)。
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[結論] これらの結果は、テクノロジー搭載のシューズを使用するランナーの足の筋肉と足首の可動性について、潜在的な影響を示唆している。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
「良い」とか「悪い」とか、価値づけ、価値解釈というのは独立には成り立たない。
そこに必ず存在しなければならないものは、「主題(アウトカム)」である。
例えば、 “りんご” というものを考えたときに、「良いですか、悪いですか?」を聞かれてもよく分からない。
だが、「デザートとしてリンゴは良いですか?」→良い、「主食としてりんごは良いですか?」→良くない、と解釈できる。
では、ランニングシューズの良し悪しを考えたときに、そのアウトカムは何だろうか?
僕は理学療法士なので、まず『障害予防(障害リスク)』というアウトカムが浮かんだ。
そして、その対極にあるとも言えるものが『足部筋などの強化』というアウトカムである。
負荷を加えれば加えるほど、鍛えられる、けれども同時に怪我をしやすくなる、これは容易に想像できることだ。
今回抄読した研究においては、『足部筋などの強化』というアウトカムの側面を強調しているため、全体の構成としてはテクノロジー搭載のランニングシューズはあまり良くなくて、ベアフットランニングシューズが良い、という論調になっている。
確かに、鍛えるならベアフットランニングシューズが良いのだろう。
だが、障害予防や、低負荷でハイパフォーマンスを発揮する、というアウトカムであれば、テクノロジー搭載のランニングシューズが優れる。
そして、優れたランナーをつくるためには、そのどちらか片方だけではいけないはずだ。
そこで出てくる概念が、『履き分け』である。
・足部筋を鍛えたい→ベアフットランニングシューズ
・障害リスクを低めた上で長距離走行をしたい→テクノロジー搭載ランニングシューズ
実は、この履き分け、障害リスクを軽減させることが報告されている(📕Malisoux et al. 2015 >>> doi.)。
今回の研究によって、改めて鍛えるならベアフットランニングシューズ、ということが分かった。
ベアフットランニングシューズを買おうと思う。
⬇︎ 関連 note & 𝕏での投稿✨
📕ランニングシューズの違いが
— 理学療法士_海津陽一 Ph.D. (@copellist) September 26, 2024
足底内在筋の筋厚, 筋断面積に及ぼす影響
・テクノロジー搭載(T) vs. ベアフット(B)シューズ
🔹足底筋膜の厚さ:T<B
🔹長母趾屈筋の厚さ:T<B
🔹足底方形筋, 小趾外転筋の断面積:T<B
足部を鍛えるならベアフットシューズが金, ですね😲#ランニングシューズ pic.twitter.com/MR082UMEAL
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