保護施設 (1分小説)
保護施設には、犬や猫、ウサギ、カエル、インコ、カメ、カワウソがいて、とても賑やかだった。
1年前、生まれたばかりのオウムの子が保護施設にやってきた。
職員たちは交代で世話をし、徐々に簡単な言葉を教えていった。
「おはよう」「こんにちは」「さようなら」「ありがとう」
オウムの子は、すごい速度で習得し、マネしてゆく。
「君も、一緒に育ててみるかい?」
職員に言われたボクは、みんなには内緒で、「ずっと、ここにいたい」という言葉を、辛抱強く教え込んだ。
【20年後】
久しぶりに、街でバッタリと、職員に会った。
「あの子、ボクが出ていってからも、元気にしていますか?」
ずっと、気になっていたことを聞いてみた。
「ああ、元気だよ。親元には、ぜったいに帰りたがらない。
今、職員たちと一緒に、統○教会の子を育てているよ」