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漫画みたいな毎日。「レジのひと。」
お風呂に入っていると、末娘がぽつりと話しはじめた。
「この前、二男に『どんな大人になりたい?』って聞かれたんだけど、難しくてよくわからなかった。」
「へぇ、それはなかなか難しい質問だねぇ。まぁ、好きなことして、好きなようにしていたら、いいんじゃない?」
二人の間でそんな会話があったことが面白くて、へぇ、と感心してしまった。6歳と10歳。
二男はどんな気持ちでそんなことを聞いたのだろうと思って、しばらくしてから、
「末娘に、どんな大人になりたい?って聞いたんだって?」と話しかけてみると、
「え?あぁ、それ違うよ。『大人になったら、どんなことしてみたい?』って聞いたんだよ。」
あら、違ってたの。
「でも、大きくなったら、レジの人になりたいっていってたよ。あと、バイトしたいって。」
そう、末娘は『レジの人』に憧れている。
買い物に行くと、セルフレジでピピッと品物のバーコードをスキャンするのを楽しみにしているし、手際よく「重たいものから先に」と買い物かごから取り出し、スキャンして私に手渡す。汁気のあるもの、魚や肉類は「ビニールいる?」と気にかけてくれる。会計が終わると、レシートを受け取り、使っていた買い物カゴを所定の位置にささっと戻す。この一連の動作を、事細かく教えた記憶がない。きっと一緒に買物をしているうちに、自分で見て感じて学んだことなのだろう。
うっかり者の私が買い忘れたものをレジで思い出すと、「あ、持ってきてあげるよ。場所、わかるから。」と、素早く買い物フロアに向かって、買い忘れたものを持って戻ってくる。何が何処にあるのか、スーパーの全体像を把握しているということなのだろう。勿論、迷子にもならない。
そんな彼女を見ていると思う。
買い物好きとは、単なる買い物好きではないのかもしれない、と。
「レジの人になれるといいねぇ。全部がセルフレジとか、カートを置いたら全部いっぺんに会計できちゃう、ユニクロみたいなレジになったら、末娘のレジの仕事なくなっちゃうもんねぇ。」と私。「AIとかにできる仕事だったら、なくなっちゃう可能性もあるかもな~」と夫。
末娘は「お店屋さんをやるのもいいな。」とも言っていた。
そうだ、自分のお店で好きなだけアナログなレジを好きなだけやったらいいじゃない。お客さんには決してやらせない。アンセフルレジの店。
それも面白いかも。
一連の会話を聞いていた長男から急に質問をされた。
「お母さんは、どんな大人になりたいの?」
「え?一応、もう大人なんですけど。」
「これからの大人としての展望だよ。」
「これからの展望?どんなおばあちゃんになるかとかそういうこと?」
「もっと近い大人としての展望。」
「え~っと、(しどろもどろ)で、できるだけ、どんな出来事も、ま、いっか、って思える大人になりたいです。」
「大体、なってるんじゃないの?」
・・・どっちが大人かわからない。
何にしても、あなたたちがなりたいと思うような大人になって、やりたいことをできますように。
ヘッダーはみんなのフォトギャラリー・pandamdaさんの写真をお借りしました♪ありがとうございます♪
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