見出し画像

『デザイン思考が世界を変える』あなたのちょうどいいを見つけるチカラ

本日はこちら、「デザイン思考が世界を変える」を紹介します。

世界的に有名なアメリカのデザイン・コンサルティング会社IDEO(Apple初のマウスを開発)のCEO、ティム・ブラウン氏によるデザイン思考についての本です。

そもそもデザイン思考ってなに?というひとにも手にとってもらいたい、
NETFLIXやtwitterの成功など、わかりやすい例がたくさん並んでいてます。


一生懸命やれば必ず結果はついてくる。努力は報われる。

そんな、20世紀から続く働き方に疲れを感じている人は多いと思います。

平成時代が失われた30年と言われるように、私達日本人は20世紀型の働き方からなかなか脱却できずにいます。

このような、今の仕事や働き方に行き詰まりを感じている人や、新しい仕事を始めようと考えている人には、違った考えに気づくきっかけを得ることができる本だと思います。

それでは解説していきましょう。

そもそもデザイン思考ってなに?

デザイン思考と聞くと、デザイナーのイメージも相まってなんだかすごく敷居が高い気がしますよね。

でも、デザイン思考とはデザイナー特有の奇抜な考え方などではありません。

デザイン思考とはなにか?それに対する答えは

人の目線に立って、ちょうどいいところを見つける考え方

だと私は思います。


例えば、テレビのリモコンを思いうがべてください。
…たくさんスイッチがあって、正直わかりにくいですよね?

そもそも人間は3つ以上のものを多いと判断する生き物ですから、
3つ以上のスイッチがあると、選択することがストレスになります。
自分では気づかない、ココロの盲点 参照)

これは機能を重視した結果、「人間」を軽視したものだと捉えることができます。


次に、デザイン思考の体現とも言える、iphoneを見てみましょう。
スイッチの数は最小限に抑えられているのに、いろいろなことがストレスなくできますよね。

どちらがよりよいものかは一目瞭然です。


デザイン思考というものは、人間の感情的な立場に立ち、
人間が求めることを理解することを何より大切にした思考法なのです。


デザイン思考の視線 ー物事をみる3つの要素ー

ここまで読んで、
「デザイン思考をぜひ実践してみたい」と考える人もいると思います。

それでは、ここからはどうやってデザイン思考を実践すればいいのか
について解説していきましょう。

それにはまず、物事を3つの要素から見る視点が大切になります。
それは次の3つです。

①技術的実現性(実際に行うことができるのか)
②経済的実現性(金銭的に成立するのか)
③有用性(それにどれほど意味があるのか)

少し抽象的な要素なので、具体的な例で説明してみましょう。

例えば、ドラえもんの「どこでもドア」を思い浮かべてください。

③出来たらものすごく意味のあることですが、①実際に行うことができず、②金銭的には無限にお金をかけても実現できない。

そのため、(現時点で)よいアイデアとは言えません。

そこで、どこでもドアを、
「いつでもどこでも好きなところに行ける」
ことを実現するためのツールと捉えましょう。

そうすると、どこでもドアの代用としては、自動車、新幹線や飛行機といったものが挙げられます。

「いつでも、どこでも」というところに多少の制約はあるものの、
「好きなところにいける」ことを実現するためには、上に挙げたものがあれば
ある程度までは実現できますね。

このように①から③の要素はそれぞれ相反することが多いのですが、
それらの相反する要素に対して、そのいずれかを簡単に諦めるのではなく、
人の目線に立って、ちょうどいいところを見つける」ことが
デザイン思考なのです。

デザイン思考の思考スキーム

デザイン思考を実践するには、先に挙げた3つの視点から物事を捉えるとともに、次の5段階の思考ステップを意識することが大切です。

①共感(これっていいよね!)
②定義(それってつまりどういうこと?)
③概念化(具体的に実現できるアイデアを生み出す)
④試作(なるべく簡単に始めてみよう)
⑤テスト(さあ、ためそう!)

なんだか楽しそうですね。

こちらもさきほどの「どこでもドア」のアイデアを例に、具体的に説明します。

①いつでもどこでも行きたいところに行けるっていいよね!
(人の目線にたって、感情的に理解する)


②日中いつでも、自分の今いる居場所から直接タクシーのように呼べるサービスはどうかな。でも、タクシーはなかなか捕まらないし、高いよなあ。
(具体的な問題として理解した内容を解釈する)

③先程紹介した3つの視点から物事を捉える。

技術的実現性 →
街中を走っている自動車を使って実現できないかな?スマホのGPSを使ってそこに寄ってもらおう。
経済的実現性 → 
タクシーを使うのではなく、もともと自動車に乗っている人に相乗りできるようにしたら安く実現できそう!乗せたほうにもお金が入ればWIN-WINだ!
有用性 → 
どこからでも気軽に行きたいにいけるってとても有意義!
タクシーより安ければみんな使うんじゃないかな?

④知り合いだけに通じるアプリを作って、ドライバーと利用者をつなぐことを試してみよう!
(うまくいきそうか、なるべく簡単な方法で試してみる)

⑤うまくいきそうだ!よしたくさんの人に広めていこう!
(試作がうまくいったらどんどんテストしていく)

こうして始まったのがご存知、Uberです。

***

このように思考スキームそのものは単純ですが、それぞれのステップでどこまで人間の求めることを素直に考えることが出来るか、そしてそれを如何に実践するかにデザイン思考の本領があります。

あなたも身近な生活や仕事のなかでもっとこう出来たらいいのにな、と思うことがきっとあるはず。

そんなとき、デザイン思考のことを思い出し、すぐに諦めたりせずにトライしてみたら、それが思わぬビジネスチャンスに繋がるかもしれません。


終わりに

改めて振り返ってみると、20世紀というのは機能性を高め、それただひたすらに消費してきた時代ともいえます。

機能性を高めて、人間の生活は十分すぎるほど豊かになりました。

ただ、その機能のすべてを本当にヒトは求めていたのか?

それに対する答えは、リモコンが機能性を高めることに固執するあまり、使いにくい代物になっていることが物語っています。

これからの時代は、どのくらいがちょうどいいのか?各自が自分ごととして考えていかなければいけないのかもしれません。


本書では最後にこう主張しています。

人生とはプロトタイプでしかない。さあ、何を変える?


あなたは何を変えますか?


2020/6/27  sumi__

***

子どもを大切にできるように、住む場所でも変えようかなあ?と悩むこの頃。
どうせ引っ越すなら涼しい山の近くに引っ越して、夏はBBQ、冬はスノーボードして暮らしたい。
テレワークだけで食べていけるようになるのが今の目標ですね。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?