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1人目人事を入れたタイミング・事例を調べてみた

こんにちは!「すごい人事(※)」情報局のゆいです。
以前、ライターのぽぺぬさんが1人目人事の体験談を書いていました。

スタートアップ・ベンチャーであればいつかは通る1人目人事の採用ですが、他社ではどのタイミングでどういう業務を任せているのか、ぽぺぬさんの他にも事例があると参考になるのではと思いまとめてみました!私の経験談もお伝えしますので何かお役に立てたらうれしいです。

なお、人事の業務内容や人事を雇用すべき理由についての記事も書いておりますので、こちらも合わせてご覧いただけたらうれしいです。

※すごい人事…「内発的動機」でイキイキ働ける人が増える「強い組織」づくりができる引っ張りだこ人事!

【このシリーズを読んでほしい人!】
・1人目人事を採用予定の経営者の方
・まだ人事がいない会社経営者の方
・1人目人事の求人票を作るために情報収集している経営者の方

【このシリーズを読むことでのベネフィット】
・1人目人事を採用する時の参考になる
・他社がどのタイミングでどういう人事を求めていたかがわかる
・自社の1人目人事採用の手がかりが掴める

1人目人事を求人検索してみた

他社が1人目人事を探すタイミングを調べるために、ベンチャー企業がよく利用する求人媒体で「1人目人事」と検索してみました。
そうすると、16社が求人を出していましたので一覧にまとめました。

2023年7月12日調べ

CHROや人事マネージャーなど責任者募集は省き、その会社で”人事”とされる方が1人目の場合に絞ってカウントしています。

1人目人事の求人分析

16社を一覧にすることで気付いたことと、求人票の中身を読む中でわかったことをまとめます。

15名強で1人目人事を探している

一人のマネージャーがマネジメントできる人数は5〜8名と言われているので、社長が一人で把握できる社員数も同じくらいだと考えられます。そうすると、10名くらいでアップアップになってきて15名あたりからいよいよ一人で抱えきれなくなって募集をかけているのかな、と想像できます。
私が見聞きしている中ですが、社員数30名で人事がいない状況だと、組織課題を何とかする人がいなかったり採用に注力できなかったりするので組織が伸び悩みます。そうなってから焦って1人目人事を採用しようと動き出している会社はそこそこあるのかもしれません。

業界で差異はない

特定の業界で1人目人事の採用の時期が変わるかというと、そうではありませんでした。オフィスワークが多い会社も、外に出て現場仕事をすることが多い会社も、先述した通り15名強で1人目人事の募集を出していました。
社員の業務内容で人事の出番が増えるのではなく、社員が増えることによって人事の出番が増えるようです。

採用担当スタートが多い、というか全て

16社全てで1人目人事の業務内容は「採用担当」でした。採用業務から組織人事の業務も担っていって欲しい旨が書いてある会社もありましたが、組織や育成スタートの求人はありませんでした。
労務スタートもなかったのですが、労務は経理・総務の人が担当している場合が多いです。勤怠管理や給与計算は必要に迫られるのが早いタイミング(恐らく経理と同じくらい)なので、あらためて1人目人事に依頼する業務ではないのかもしれません。

バックオフィス担当や業務委託(採用)がすでにいる場合がある

今回求人検索に使った媒体は、求人票に関連する社員を紐づけることができるものだったので、求人票にバックオフィス担当が紐づいている場合は備考に記載しました。また、求人票の中に業務委託の人事がいることが明記されている会社もあったので、そちらも合わせて記載しました。その他、明確ではなくてもカスタマーサクセスやマーケティングなどの他部署の人が人事を兼務している会社も見受けられました。

1人目人事の事例

業務委託で人事が入っている会社があることをご紹介しましたが、私も人事業務委託として複数社の会社に入っていて、1人目人事としてお手伝いしていることがあります。具体的なことをお伝えできるので、私や私の周りの1人目人事の事例をご紹介します。

A社…社員0名・アルバイト2名 担当:採用
社員数0名でしたが、社員の採用に苦戦していて採用をしてくれる人事を募集していたので、業務委託として関わることとなりました。採用するポジションの採用難易度が高く、社長は採用に携わることができるけど、どうしたらいいのかわからないので知恵を借りたいという状況でした。自分にできないことは他人に任せるというスタンスの社長だったので、1人目人事の採用タイミングが早かったのだと思います。

B社…社員10名 担当:主に採用、組織・労務など何でも
社員が徐々に10名になったのではなく、立ち上げ時に社員が10名いる状態になり、立ち上げメンバーとして呼ばれました。社員数が売上に直結する事業だったので、採用をメインで頼まれていましたが、労務担当がいないので就業規則から社内ルール作成、勤怠管理、給与計算などを社労士と一緒に行いました。社員のフォロー含めた組織課題も1人目人事に集約されていたので、「ヒト」にまつわることを何でもやっていました。

C社…社員4名・アルバイト2名 担当:主に就業規則作成、採用・営業など何でも
この会社は、働き方の多様性に力を入れたいと考えていて、勤務時間や出勤日数、勤務地を社員の生き方に合わせて雇用していました。自由度を高くするためには、ルールを決めるところは決めなければならないですし、就業規則もその会社用に大きくアレンジが必要になります。社労士と社長だけでは運用できる就業規則を作ることに難航していたので、1人目人事として入社することになりました。1人目人事なのでメインの業務以外にもバックオフィス業務は幅広く担当し、さらに営業も任されることになり何でもやることになりました。

D社…社員3名 担当:主に組織、労務
フルリモートで、社員が直接顔を合わせる機会が滅多にない会社でした。そのため、社長が社員のエンゲージメントを確認しにくく、社長に直接言えないこともあるのではないかと心配して、業務委託として人事を入れることにしました。月1回社員と面談する業務でしたが、社員が増えてくると組織課題も出てきたので社長と解決に動いたり、労務面もフォローが必要になり担当する業務が増えていくことになりました。

1人目人事は何名規模組織で入れるべきか

30名前後でこれからも伸ばしていきたい組織

私の周囲では社員数10名前に人事業務委託を依頼していましたが、携わってみて思うのは、はやめに人事を入れておくことで、今後起こりうる組織課題に対して事前に対策を取ることができて良いということです。起こってから対処するよりも各段に工数をかけずに済みます。
ただ、10名程度だとフルタイム分の人事(採用・組織・育成)業務はまだないので、フルタイムの1人目人事を採用するとしたら、社員数30名が見えてくるタイミングがギリギリかと思います。組織規模をもっと大きくしていく予定があるのであれば、社員数30名頃で制度設計をしておかないと、社員が増えれば増えるほど何かを変更した際の影響が大きくなります。

事業成長率120%以上を目指している組織

爆速的に事業を伸ばしたいと考えると、その分人手も足りなくなってくると思います。事業成長率120%以上を目指している会社は採用速度もかなりはやい印象です。採用以外の業務で山積みになるので採用は後回しになりがちですが、採用しないと首が回らない…助けて…という会社を数多く見てきました(笑)。
さらに、採用は出来たものの、制度設計や組織課題を後回しにしてしまうと、あるタイミングで退職者が続出したり社員のパフォーマンスが下がったりしてしまうことがあります。(これを「100人の壁」と呼んでいます。)

こうなる前に1人目人事を入れて対策をしておくことをおすすめします。組織課題が続出しているタイミングですと、いかにプロ人事でもかなり骨が折れるので、出来る限り課題が続出する前に、お願いします(切実)。

フルタイムの工数が無いときは人事業務委託を検討してみては?

今回は1人目人事を入れるタイミングについて複数社の事例を見てきました。どのタイミングで何に強い人事を入れるかについてはこちらの記事もご覧いただけると参考になると思います。

求人を見た数社では、はやい段階で人事業務委託を入れている会社がありましたが、私もはやいタイミングでプロ人事を投入することをおすすめします。フルタイム分の工数はないですが、組織を大きくしていくための下準備をしておくことで、その後の成長率は変わってくると実感しています。

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ここまで読んでいただきありがとうございました!

ライター:西田ゆい
名古屋の老舗企業とベンチャー企業で人事を経験後、独立してフリーランスの人事になる。現在は5~6社に入り、採用・労務・組織開発など幅広い業務を担当している。「誰もが楽しく働ける社会へ」を個人ミッションとして日々邁進中。

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