杉山 陽洋(ようよう)

フリーランスの劇場管理人です。 仕事のこととか、日々のこととか、あまり世の中には知られることのない日常を綴りたいなぁと思って始めました。 日本大学芸術学部演劇学科の非常勤講師もしたり、webで喋ったり比較的自由に楽しく生きています

杉山 陽洋(ようよう)

フリーランスの劇場管理人です。 仕事のこととか、日々のこととか、あまり世の中には知られることのない日常を綴りたいなぁと思って始めました。 日本大学芸術学部演劇学科の非常勤講師もしたり、webで喋ったり比較的自由に楽しく生きています

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劇場管理ってどんなお仕事?

「劇場管理ってどんな仕事?普段何してんの?」ってよく聞かれます。 この仕事をして10年になりますが、僕もどういう風に答えたら良いものか未だに悩みます。 劇場の鍵を開けたりする人?備品の管理をする人?劇場って映画館のこと? 演劇とかダンスとか、劇場に観に行ったことのある人かどうかでも説明の仕方が変わってきます。 さらにフリーランス(個人)で劇場管理を仕事としてやっている人がどれだけいるか。 日本には50人もいないんじゃないでしょうか。そこそこ特殊職業です。 そもそも劇場管理

    • 劇場をベースに、舞台業界で働くスタッフをサポートする会社

      「劇場から楽しいを発信していきたい」 この想いは劇場で働いている時からずっと胸にあった言葉。 楽しいっていうのは人が気持ち的に自由、正直であるということだと 動き出したのはコロナ終盤だったかな。 社会が変化を余儀なくされ僕たちの働き方も大きく変容。 そんな中トラブルとかで困っている舞台芸術の業界で働く人をなんとか助けたい、助けよう、そして一緒に楽しもうと生まれたチームでした。 ちょうどその時スイングであったりアンダースタディーだったりが見直され浸透していきました。 でもス

      • 2022年 お仕事のふりかえり

        どんな公演にどんな関わりかたをしたかのただの列挙になります。 振り返りとは名ばかりのものです。 1月 ■『マーキュリー・ファー Mercury Fur』@世田谷パブリックシアター [劇場担当] 2月 ■『MANSAI ◉ 解体新書 その参拾弐 完 「檄」~初心不可忘~』@世田谷パブリックシアター [プロダクションマネージャー助手] ■『ハムレットリーディング』@世田谷パブリックシアター [舞台監督] 3月 ■天使館ポスト舞踏公演『牢獄天使城でカリオストロが見た夢』

        • 世田谷パブリックシアターとの契約をやめました

          13年間技術部舞台担当として携わってきました世田谷パブリックシアター、シアタートラムですが、今年度を最後に年間契約を更新しないことに決めました。 思えば右も左も知らない状態で、 「劇場管理がやりたい!小屋付きやりたい!!」 で飛び込んだこの劇場。 最初はヘトヘトになりながらも、第一線のプロの方達に早く認められるように、そして最高の劇場にしようと思ってガムシャラに働いてきました。 舞台用語を覚えるところから始まり、備品管理資材出し、機構オペレーター、機構フロアチーフ、公演受

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        劇場管理ってどんなお仕事?

          中学生の演劇の発表会の舞台監督をやっていて

          何年前からだろうか、世田谷区立の中学校の演劇発表会の舞台監督をするようになったのは。 昨年度はコロナで中止になったけど、今年度はやるのでと5月くらいにお願いされた。 中学生とやるのは正直楽しい。 思いもよらぬ表現に出会えたり、今の感覚を直に体験できるからだ。 もちろん芝居は下手くそなことが多いし、むず痒くなるようなこともある。 ただ彼ら彼女らの前向きなひたむきさ、だるさや打算さ、そして緊張感は側にいるとひしひしと伝わって来る。 逆に側にいないと中々感じることはできないと思う

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          大学で演劇を学ぶということについて(序)

          劇場での最終発表・上演がある卒業制作の顔合わせが今日行われた。 僕は舞台監督指導という立場でこの作品に関わる。 日本大学芸術学部演劇学科の卒業制作には演劇・洋舞・日舞の3つの制作での卒業制作があり、(もちろん論文もあるのだが)4年間の集大成をここで発表する。 この集大成でもあり、人生の1つの岐路でもあり、転換期でもあり、男も女もあり、価値観のぶつかりでもあり、そりゃあもう一筋縄ではいかないことが多い。 それは作品を創るということが、こんなにも作品以外にも向き合わねばなら

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          市販の手指消毒用アルコールって申請いるの?

          わりかし最近よく話題に上がるトピックです。 お客様用にロビーの入口に、キャスト用に袖中に、小道具や衣装のメンテ用に舞台袖や楽屋にとアルコールを使用する機会がグッと増えました。 コロナ対策で必要不可欠ということもあり、消防署でもアルコールの取扱いが非常にややこしいことになっているようです。 そして多分劇場、舞台に関わる多くの人はそのことを知らない。というか気にしていないと思います。 僕も消防署にいく機会がなければ今現在どういう法律(状況)になっているか意識しなかったと思います。

          市販の手指消毒用アルコールって申請いるの?

          アメリカで仕事をする為のVISA申請「P3-S」「DS-160」について〜面接編〜

          2019年9月11日 早朝 ドキドキしながら電車に乗る 向かうはアメリカ大使館 スーツではないが少し落ち着いた格好 舞台の本番とはまた違った緊張感 溜池山王駅14番出口 赤坂インターシティAirの左にあるエスカレーターを上がっていく 上がって右手の建物、、、きっとこれだ。。。 億劫な足取りで道路を歩いていく 周りには警官だらけ いつもこんなにも厳重なのか、それとも今日が9月11日だからか そこらじゅう警官だらけで逆に入り口がどこにあるのか分からなかった しょうがなく建物

          アメリカで仕事をする為のVISA申請「P3-S」「DS-160」について〜面接編〜

          アメリカで仕事をする為のVISA申請「P3-S」「DS-160」について〜書類編〜

          今年の4月頃に、10月にニューヨークで行う公演のお仕事をいただいた。 そうNY!Yeah!ニューヨーク!! 正直思った以上にテンションは上がらなかった。 米国へは「P3-S」申請というのをしなきゃいけなく、こいつが結構めんどくさそうで、英語面接があるって噂だけ先に入ってきた。「P3-S」? 正直ゲーム機しか思いつかないし、全然頭に入ってこない。 不安だ、、、英語がちゃんと喋れないのに英語面接があるって、、やばい、、英語勉強しなきゃ、、仕事で受けたのに落ちたりしたらどうしよう

          アメリカで仕事をする為のVISA申請「P3-S」「DS-160」について〜書類編〜

          100年後の舞台のテクノロジーを妄想してみた

          ことの発端は100年後の舞台業界(主に芝居、舞踊)はどうなっているかという雑談から ライブ業界と違い、わりかしアナログな文化が根付いている業界だなと思いつつも(もちろんいうまでもなく原点なので悪いということではない)、 100年後の舞台ってどうなってるか、その時のテクノロジーって何だろうと考えたら結構おもしろいなって。 最近見たテクノロジー的なやつとか、ツラツラと書いてみようかと。 お金とか全く考えないただの妄想です第1弾。 “舞台業界×テクノロジー”をイメージした時、

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          8年前のあの日、劇場で

          今日であれから8年 午後2時46分 パブリックシアターの舞台下手袖付近に僕はいた。 その日の催し物は「舞台音響講座」 午前中に仕込み、午後から講座開始 時刻 ちょうどその時舞台上では「舞台音響講座」が真っ只中。 通常の講座スタイルだと客席に座ってもらい行うところ、その日だけはたまたま舞台上に長机とホワイトボード、音響卓など組んで舞台を横に使って実施しており、舞台上に受講者が全ている状態であった。 音響課長が熱弁を奮っていた。 1度目の揺れ はじめはただの地震と思いき

          8年前のあの日、劇場で

          さあ終演!! 『三軒茶屋』で芝居やダンスなど観た後に、劇場の人がオススメするスタッフもよく行くお店10選どばっと教えます。

          カーテンコールも終わり、さあ終演・・・。 良い芝居や素敵なダンスとか見たあとって余韻に浸ったり、 逆にクソつまらなさすぎて気分をかえたかったり。 はたまた友達と一緒に観に来ていて「あそこがあーだった」とか「こーだった」とか作品について語らったり、出演者に友達とか知り合いがいて「久々だし一緒にご飯でも行こうよ」なんて。 世田谷パブリックシアター、シアタートラムのある三軒茶屋にはちょ〜いっぱい美味しいお店がある飲食激戦区です。 その中でも観劇後にオススメのお店10店をチョイス

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          機構オペレーターのお仕事

          「Fly Cueの1 緞帳UPスタンバイ」「スタンバイ」「GO!!」 今回は僕が劇場管理の中で一番楽しいと感じ、こだわりを持ってやっている《機構オペレーターのお仕事》についてあれこれ書きたいと思います。 そもそも舞台の機構オペレーターとは 劇場にもともと設備としてある吊物機構(バトンや点吊りなど)や床機構(迫りや盆)などを操作する人、または仮設で組んだそれらの舞台機構を操作する人などを指すのですが、簡単に人の生き死に直結するくらい実は大事な仕事なのです。 物を吊っ

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